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「蘭世〜？」呼んでも無視だし、そのくせ腕は全然離してくれないし、適当に掴んだスマホを落としかけそうになるし、外靴に履き替える間も腕は離さないし、「蘭世、そっち校門じゃない」何故だかグラウンドの方に連れ出されるし、校舎の影になった人目につかない水飲み場でやっと腕を離したかと思えば、放ってあったホースを蛇口に繋ぎだした。
「蘭世？何してるの」
「…それはこっちのセリフだ」
「……なんかあったでしょ。言いたくないならいいけど、俺でよければ聞くから」
蘭世はホースの先端を持った。
もう片方の手が蛇口を握る。水はまだ流れない。
「A」
真っ直ぐ見据えられる。真剣な表情。俺も応えるように蘭世を見つめる。
日差しが斜めからさして、蘭世の顔に陰が落ちた。
「今ここで頭から水浴びるのと、うちに来てシャワー浴びるの、どっちがいい？」
「…え？」
「さっきの奴に、髪、触らせたんだろ」
「……」
呆然。
「え〜〜〜……」
一気に、緊張が解けた。
俺、わかっちゃったぞ。
なんだ。なんだ、そんなことかあ。
「…じゃあ、蘭世の家行く」
俺は迷いなく自分の三つ編みを解く。
わかった、と短い返事がして、その後はあっという間だった。
*
「ベッドさいこ〜…」
蘭世の家。蘭世の部屋。蘭世のベッド。
背中からダイブして天井を仰ぐ。
あの後一言も喋らず蘭世の家まで足早に向かった。
家に着くなり逃げないように後ろから羽交い締めにされつつ脱衣所に連行され、服を脱がされ、浴槽に放られ一方的に頭を洗われた。
「俺ってもしかして犬？」と言えば、「いいじゃん。鳴いてよ。わんわん」とまだやや少しローテンションで返されたので、蘭世も浴槽に引きずり込んでシャワーでびしょびしょにしてやった。
「俺制服！制服！」「いーじゃん。お返し。制服なら俺の予備貸すって」
そして二人で風呂場を出て、俺には少し丈の足りない蘭世のTシャツを着せられ、髪を乾かし合い、今に至る。
俺も自分のベッド欲しいなあ、なんて考えているところに、蘭世もベッドに腰掛けてくる。
俺に覆い被さるようにして頭に顔を埋め、すん、と息を吸った。
「…ん、俺と同じ匂い」
「……満足した？」
「………そこそこ…」
そこそこかよ。
蘭世はベッドに上がって、俺に馬乗りになる。ベッドがより深く沈む。
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夜 - いつも素敵なお話ありがとうございます！リクエストなんですが、糸師冴さんで男主くんの話を書いて欲しいです。暗い話で冴さんがヤンデレな感じで。注文が多いですがよろしくお願いします！ (8月6日 20時) (
レス) id: 539b005b10 (このIDを非表示/違反報告)
りりあ(プロフ) - 加糖雪さん» 素敵なお話ありがとうございます！！ (8月2日 12時) (レス) @page37 id: e7fc63ae3c (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - りりあさん» りりあ様こんにちは。リクエストいただいていた内容の作品を追加させていただきました！リクエストありがとうございました〜！ (8月2日 8時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - 汰稀さん» なんと！素敵な夢をみていらっしゃる…！リクエストありがとうございます。お待たせしてしまうかもしれませんが承りましたのでしばらくお待ちください…！ (7月30日 2時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - 汰稀さん» 返信遅くなってすみません！そうですね、束縛、独占欲の表現として三つ編みを用いていました(*˘︶˘*)ただ蘭世本人は無自覚かな？と思ったり思わなかったり…色々考えながら読んでいただけると嬉しいです^^ (7月30日 2時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星藍 海 | 作成日時：2023年7月19日 3時
