83 (この目、知ってる……) ページ7
｢そこまでだ！！｣
勘右衛門が飛びかかろうとしたその瞬間、Aの後ろで障子が勢いよく開いた。すぱーんっと軽やかな音が夜の闇に響く。
驚き、その姿を見た全員の動きが止まる。
Aが振り返れば、
｢仙蔵……！｣
綺麗なストレートヘアが柔らかに揺れる仙蔵の姿があった。
その表情を見るに、慌てて駆けつけてくれたようである。
｢A！大丈おぉぅわあ！？｣
次いで部屋に飛び込んできたかと思えば足がもつれて転びかけた伊作を、Aが抱きとめる。
｢よっ……伊作こそ大丈夫ですか｣
じいっと瞳を覗き込んでくるAの目に、伊作はどきりとした。
(この目、知ってる……)
同時に、どこか怖くなった。
｢う、うん……｣
夜の僅かな明かりがハイライトに差し込むその、ひとつのものしか見えていないようなそれは、かつてこの場所をめちゃくちゃにした自分たちとどうしようもなく同じものだった。
｢あ、ありがとう。はっ、怪我はない？！｣
｢ええ。この通り、無事です｣
｢勝負するなら俺たち六年生が相手になるぞ｣
｢Aに手出しはさせない…もそ……｣
すぐに留三郎と長次も駆けつけ、Aの後ろについた。
｢せ、先輩たちは天女様を庇うんですか？！｣
雷蔵が己の得意武器を握りしめながら叫ぶ。
｢もしかしてまた妖術にかかってるんじゃ.......！？｣
睨む八左ヱ門に、やってきた文次郎が答える。
｢…そうではない。全員妖術にもかかっていない｣
｢かかってるのはAだけだな！｣
わはは！と笑いながら、最後に飛び込んできた小平太。
｢それに、その手段はきっと…正当じゃない｣
言い放った伊作を始め、六年生は五年生にじり、と詰め寄るかのように睨み返す。
84 ｢いえいえそんなことは｣→←82 ｢困りましたね……」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 85人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
加糖雪(プロフ) - まんじゅうDXさん» こちらにもコメントありがとうございます…！ようやく五年生と絡ませることができました…！こちらこそここまで読んでいただけて嬉しいです。ありがとうございます！ (2022年11月28日 17時) (
レス) @page7 id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅうDX - 続編 おめでとうございます！！ 5年生との絡み…最高ですねッ！！ ここまで続けてくれて、本当にありがとうございます…！ (2022年11月26日 18時) (レス) id: 8f3d0eca03 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：加糖 雪 | 作成日時：2022年11月25日 19時
