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79「チャンスなんだよね」 ページ3

「どういうこと?って顔してるから、説明してあげる」
「勘右衛門、言葉遣い」
「三郎〜そんなのいいじゃんもう」


どうやら俺の真後ろで首を締めているのは、三郎という名前らしい。
(あああ記憶が蘇ってきたぞ……日記で読んだ……)
五年生。個々で優秀、さらに団結力があり、その力を合わせればもっと強いという……



たしか、三郎と同じ顔なのが雷蔵。
双子ではなくて三郎が雷蔵の変装をして顔を借りている、らしい。
りりしい眉とぱさぱさの髪の毛の持ち主は八左ヱ門。
豆腐好きの黒髪は兵助。
勘右衛門の変な髪の毛は“うどんヘアー”と揶揄されていたっけ。


(…天女様争奪戦では手を組んで他学年を潰そうと動いたことがあったとかなかったとか…)

真相がどうなのか、俺には知る由もないのだが。







勘右衛門が口を開く。

「俺たち、こんなこともう終わりにしたいんだ」

「…」

「天女様が来て、忍術学園が壊れて。天女様はいつの間にか消えて、記憶も薄れて。それでも忘れるわけじゃない。無かったことになるわけじゃない。もう繰り返すのに疲れた。だから、天女様を手にかける」


(……あ…)
勘右衛門の声には淀みがない。その気持ちは嘘じゃない。


「自分に妖術をかけて俺たち忍たまに従ってくれる天女様は、チャンスなんだよね」


勘右衛門の言葉に兵助が続く。

「どんな罰が下ってもいい。ここで断ち切れるかもしれない」

言いながら、懐をまさぐって何やら取り出す。




「……っ?!」



兵助が手にして暗闇で光ったそれは、苦無。



「ん、っ……?!」


声を出そうとして、頭が痛んだ。思わず顔を顰める。
嫌だ。妖術が発動したらその時点で終わりだ。
(ど、どどどどうしよう……!!?どうしたら……!?)




必死に目で訴えかけてみるが、目は合うのに何も伝わってはくれない。

()に恨みは無いが……諦めてくれ」
またもや三郎に耳元で囁かれる。
「ぐ……っ!」

80 「…話を、しよう……!」→←78 (マジでまともじゃないお願いじゃん……!!)



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加糖雪(プロフ) - まんじゅうDXさん» こちらにもコメントありがとうございます…!ようやく五年生と絡ませることができました…!こちらこそここまで読んでいただけて嬉しいです。ありがとうございます! (2022年11月28日 17時) (レス) @page7 id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅうDX - 続編 おめでとうございます!! 5年生との絡み…最高ですねッ!! ここまで続けてくれて、本当にありがとうございます…! (2022年11月26日 18時) (レス) id: 8f3d0eca03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:加糖 雪 | 作成日時:2022年11月25日 19時

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