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一年は組のことや、学園のことが話題になった。
利吉さんはおそらく意図して楽しい話題だけを選んで、私についてのことに踏み込むような話はしないようにしている。
それがあまりにも自然で、よく意識していないと気がつかない。
彼は器用な人みたいだった。
「父上はなかなか家に帰らなくて…その割りには忍術学園に来た私に洗濯物を母上に渡してと頼むんだ」
「それじゃあ今日もお父様の為にいらっしゃったんですか？」
「いや、今日は君の顔を見に…」
「……え？」
「なんてね？」
「…も、もうからかわないでくださいよ…」
口説かれるとか冗談に決まっているけど驚いてしまう。
「ふふ、今日はおばちゃんのご飯を食べに来たんだ」
子供らしさを滲ませながら無邪気に笑った。
「おばちゃんの…？」
「食堂のおばちゃんのご飯って美味しいだろう。だから時々無性に食べたくなって、こうして食べに来るんだ」
「分かります。本当に美味しいですよね。私もおばちゃんのご飯ですぐに元気になっちゃいました」
「でしょう」
ふふふ、と二人で笑い合った。
会話が美味しいご飯をお互い少しずつ食べ進めながらなのは、話すのが楽しいからなのかもしれないな、なんて思う。
利吉さんには私を探ろうとか考えていないだろうし、そう思いたい。
変に疑うのはやめよう、と私は思い直していた。
(…けど、まだ安心はしちゃいけない…)
利吉さんに限ったことじゃない。
誰かに本当に気を許してしまうのは危険。
どこかのタイミングで、きっとボロを出してしまうだろうから。
うっかり自分の胸の内を明かしてしまいそうだから…。
それでも食べ終わるのが惜しいような気がしているのが不思議で、けれど食べ始めたのが先だったこともあって利吉さんよりだいぶ早く食べ終える。
「…あ、利吉さん。口にお米ついてます」
「えっ」
利吉さんは口端についてない方を自分の指で触れた。
「ふふ、こっちですよ」
私は利吉さんの顔の方に手を伸ばして、その口端にくっつけた一粒のお米を代わりに取った。
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加糖雪(プロフ) - 犬さん» コメントありがとうございます。お待たしてしまって申し訳ありません…また少しずつ更新していけたらと思うのでよろしくお願い致します！ (2022年11月6日 0時) (
レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
犬(プロフ) - このお話の続きが楽しみです。更新楽しみにしてます。 (2022年3月24日 8時) (レス) @page27 id: f57686b26e (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - レン。さん» レン。さんコメントありがとうございます。学園の人達と関わっていく中で、夢主がどう変わってどういう選択をしていくのか見届けていただけると幸いです。今後もこの作品をよろしくお願いします…！ (2022年1月16日 18時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - れなさん» れなさんコメントありがとうございます。感想をいただけてとても嬉しいです。ゆっくりとですが更新再開してますのでどうぞよろしくお願いします( ᵕᴗᵕ ) (2022年1月16日 18時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
レン。(プロフ) - これからの夢主ちゃんがどうなるのか気になります!!気長に更新待ってます! (2022年1月16日 4時) (レス) id: 6501380a5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：加糖 雪 | 作成日時：2021年7月25日 4時
