【プリンプ編A】満身創痍で飛び込んで！【ぷよぷよ】

34 ページ34

｢な、これを……変態が………｣
サタン様は目を丸くしてクッキーとシェゾの顔を交互に見る。
｢変態って言うな！！｣

｢…変態が作ったクッキー……｣
サタン様がまだつぶやくのに｢ 俺は変態ではない！！｣とシェゾが返す。

｢ふふ、彼はお菓子作り上手いもんね｣
そう言うレムレスに確かに、と頷いたあと
｢じゃあもうシェゾがお食事会のお菓子を作るってことにしたらどうですか？｣
と提案する。

名案だと思ったのだが、サタン様は首を振った。
｢それはダメだ。変態の作ったものをアルルとカーバンクルちゃんに食べさせる訳には……｣
｢だ か ら！ 俺は変態じゃ…｣

｢サタン様〜〜！｣
シェゾの言葉の途中で、遠くから高い声が聞こえた。
声のする方には、青色の長い髪を揺らしてこちらに駆け寄ってくる女の子が……

その子はサタン様と向き合っていたシェゾを突き飛ばす勢いでサタン様の目の前に立った。
｢る、ルルーか｣
｢先程のお話、少し聞かせてもらいましたわ！｣

ルルー、と呼ばれた露出度高めの服を着たセクシーな女の子、……と言うよりは女の人か？
その人は少し頬を赤らめ、キラキラした瞳でサタン様だけを見ている。

これは要するに、恋する乙女といったところだろうか。
対するサタン様はどこか煩わしそうだが……


｢料理ならこの私がお作りしますわ！｣
真っ直ぐサタン様を見つめたまま、自信満々に言い放つルルーさん。

｢ドロドロスープか……｣
怪訝な顔でそう呟くシェゾを見て、｢ドロドロスープ…？｣と私とレムレスの言葉が重なる。
シェゾがドロドロスープを知らない私とレムレスに
｢あ、いやあいつ料理ができな…｣といいかけたが、

｢ところでお食事会にはいつ行けばいいのかしら？｣
とルルーさんのさっきより少し大きめの声に遮られた。

この人は一体どこから話を聞いていたのか…これはもう｢少し聞いていた｣どころではないのではというツッコミをしたいところだ。

サタン様は｢おほん！｣と咳払いをしてから言いにくそうに｢食事会は…アルルとカーバンクルちゃんしか招待するつもりはなくてだな……｣

｢……な…！｣

雷にうたれたようなルルーさん。

これはサタン様は確実に地雷を踏んでしまったのだとわかる。
そりゃそうだ。恋する乙女にそんなハッキリ言ってしまうのは酷だ。

35→←33

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す