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さっきレムレスが言っていた、｢普通はなんやかんやあってぷよを消せるようになっているんだけど｣という言葉を思い出す。
｢ぷよを消す力というのは誰でも最初から持っているものだということですか？｣
私がそう聞くと、今度はレムレスが答える。
｢いや、無くても初めにぷよ勝負を挑まれるまでに何かのタイミングで手に入れられちゃうのがこの世界のお決まりというか……｣
お決まり……
私は脳内にギャグ漫画の類を思い浮かべる。
｢じゃあなんで……？｣
私には力が無いんだろう？
……いや、今はこんなことを考えてる場合じゃない。
そろそろ行きましょうか と言おうと思ったが、レムレスが私に声をかけた。
｢あっ、そうだ、アップルパイを貰った時からずっと気になってたんだけど｣
｢何ですか？｣
｢かごに入ってるの、アップルパイだけじゃないよね？｣
｢……ああ…｣
これまで誰も触れてこなかった、私が作ったクッキーのことだ。
｢かごのなかに入ってるのが見えちゃって｣
レムレスの顔には食べたいと書いてある……気がする。
｢別に……食べてもいいですけど……｣
｢ほんと？｣
レムレスは期待している顔で私に詰め寄る。
｢言っておきますが、クッキーは私が作ったもので味はおばあちゃんのとは比べ物にならないし、中の下って感じですからね？｣
｢わかったよ｣
レムレスが首を縦に降ったのを見て私はかごを持つ手をレムレスの前に伸ばした。
レムレスはバスケットの中からクッキーを1つ摘むと、それを一口で食べた。
｢……うん。しっとりめなクッキーだね。僕はサクサクのが好みだけど…美味しいよ｣
レムレスの評価とその言葉の間に、あんまり美味しくなかったと言われたみたいで少しむっとする。
｢私はしっとりめが好みなんです！｣
｢食べたそうにしてたくせに…｣
一連の流れを見ていたシェゾさんが私の心を読んだかのように、呆れ顔で言う。
そして、
｢ふむ……アップルパイにクッキー……｣
ぼそりと呟くシェゾさんに、私は勧める。
｢シェゾさんもどうですか？アップルパイとクッキー｣
正直自信の無い自分が作ったクッキーを勧めるのはちょっと気が引けるが、おばあちゃんの作ったアップルパイはすごく食べてもらいたい。
｢くれるのか？｣
シェゾさんは少し驚いた表情でこちらを見る。
｢欲しいなら…｣
｢それじゃあ…いただこう｣
私は皿にアップルパイを1切れと、今度はクッキーも一緒に乗せた。
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ゆきろあ(プロフ) - 名無しさん» 名無しさんありがとうございます！実は意外にそういう細々したところを書くのが私自身楽しかったりもします...笑 今回解説仕切れ無かった部分をまたどこかで紹介したいなと思っていますのでそちらも楽しみにしていただければと思います！長文ありがとうございました！ (2019年10月31日 17時) (
レス) id: ac64387404 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - た目と年齢の不一致についての描写と、突然の事に混乱しつつなんとかしようと動く夢主の心理描写が好きでした…。今後の展開も楽しみにしています。長々と失礼しました。 (2019年10月27日 22時) (レス) id: 04c8bfa83c (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 魔導学校と飛ばされた場所の位置関係についての描写について、初めて読んだとき｢そう表現してくるか！｣｢だからあの子達に会ったのね！｣と勝手に納得して感動しておりました…きっとゆきろあ様の中に確たる設定・流れがあるからでしょうね。個人的にシェゾの見た目 (2019年10月27日 22時) (レス) id: 04c8bfa83c (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続編おめでとうございます！夢主の心理描写やキャラの言い回しなど違和感を感じさせない物語と丁寧に織られた伏線が好きなので今後も読める喜び余ってコメントします！後書きの解説では答え合わせをしていただけているようで嬉しかったです…シェゾとレムの言い回しや、 (2019年10月27日 22時) (レス) id: 04c8bfa83c (このIDを非表示/違反報告)
ゆきろあ(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです...！性格や関係性は私が書くにあたってこだわっていた部分でもあるので気づいて頂けて感激です。完結まで頑張りますので、よろしくお願いします！ (2019年10月15日 2時) (レス) id: ac64387404 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：加糖雪 | 作成日時：2019年7月3日 18時
