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馬の歩きに合わせて揺られながら、兵庫水軍へと向かっていく。
「若旦那は学園でどうですか？」
「ふふ、やっぱりそこが気になるんですね」
「そりゃあまあ。はは、でもAさんから聞くお話が一番楽しいというか」
「嬉しいことを言ってくれますね」
Aは「俺の忍たま大好きの名は伊達じゃないですから」と胸を張った。
「若旦那のことをとても好いてくださってくれるのは私も嬉しいんですよ」
「よおし、それじゃあ団蔵の話を沢山しましょう。俺の後輩語りの熱は誰にも負けませんからね、覚悟してください清八さんっ」
「ええもちろん」
そうしてAの熱い忍たま＿＿団蔵語りが始まった。
うんうん、と熱心にAの話を聞いてくれる存在は珍しく、その語りはいつもより饒舌だった。
「ちょっと揺れます。捕まってください」
「はい」
「もっと、こう」
ぐいっと腕を引かれ、「おおっ……？」Aはされるがまま、清八の体に腕を回した。
そして最小限の揺れとはいえ、内蔵がふわりとするくらいに馬はぴょんと飛んだ。
しっかり着地して、また平らな道を進んでゆく。
「あはは、Aさん全然心臓の音が早くなってないですね」
「いや、ええ……？」
「普通の人なら、こういう時こうやってくっつくと、驚いて心臓が早く鳴ってるのが分かるんですよ。でも流石忍者のたまご」
「そうですかね、はは……」
(……慣れと言ったら説明が難しいだろうな)
Aは何かを隠して、ひっそりと口を閉ざした。
「さて、そろそろ到着です」
「清八さん、ありがとうございました」
「いいえ。帰りはどうなさいますか？」
「帰りは自分で町まで戻ります」
「町まで戻られるんですか」
「はい。伊作を待たせてしまっているので」
「ええっ、それなら帰りも乗っていってくださいよ」
「そ、そんな。ご迷惑じゃ…」
「いいんです。お代は若旦那のお話の続きで」
いやいや、いえいえ、とまた応酬が続いたが、なかなか引かない清八に時間の無駄だと判断したAの方が折れた。
「じゃあすみません、急いで魚だけ受け取ってくるんで！」
「はい！」
Aは海の方へ急いだ。
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加糖雪(プロフ) - 乃花おむ子さん» 乃花おむ子さんこちらにもコメントくださりありがとうございます！ギャグに自信ないのですが笑っていただけて嬉しいです〜！こちらの作品はかなりゆっくりの更新になりますがよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2021年9月25日 18時) (
レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
乃花おむ子(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて笑いながら読んでしまいました……！無理のない程度に更新頑張ってください！ (2021年9月24日 7時) (レス) @page27 id: 3538425ae0 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - まーぶりんさん» まーぶりんさんコメントありがとうございます！楽しんで頂けている様で何よりです…！応援ありがとうございます。今後も何卒よろしくお願いいたします！ (2021年5月21日 20時) (レス) id: 22bc115167 (このIDを非表示/違反報告)
まーぶりん(プロフ) - ｳｯ…凄く好きです…！！ホント主様の文才が神すぎて…！更新楽しみにしてます( ﾟдﾟ)頑張ってくださいー！！ (2021年5月20日 17時) (レス) id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：加糖 雪 | 作成日時：2021年5月12日 22時
