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5 同室の仇? ページ19

Aは食堂の入口に立つ留三郎に駆け寄った。


「ようA、元気か?」
「うん、元気元気〜」


ひゅ、と短く風を切る音は、ぱしっ、とすぐに止む。


「おっと。食満、何かなこの手は」
「いやあ同室の伊作がお世話になったみたいで」


笑顔で見つめ合ったまま、2人の片腕が僅かに揺れ続ける。



「食満ってほんと同室の伊作のことが好きだよねえ。俺は伊作が羨ましいよ」

「はは、まあ同室なんでね」

「でも最上級生が本気でグーパンキメようとするのは危ないからやめた方がいいんじゃないかな…?!」



留三郎がAのその腹に目がけて振るった力強い拳が、軽々しくAの手のひらで受け止められていた。



「…はあ、仙蔵がお前を気に入らない理由がなんとなく分かったよ」
「え?なんて?」


「いや?伊作がカツ丼に苦しめられた仇だから仕方ないだろう」

「伊作はほんとに愛されてるなあ。そういうことなら、俺と勝負する?」

「…いや、それは遠慮しとく」

「なんで!?勝負しましょーよ武闘派用具委員長さん!」

「お前とは面倒くさいから嫌だ」

「ちぇ、また食満に誘いを断られちゃった」



留三郎が拳に込めていた力を緩め、2人は手を下ろす。



「俺だって文次郎と食満がいつもしてるみたいに2人と勝負したいのに……」



Aが小さく呟いたと同時に、留三郎はニヤリと笑った。



「…なんてなッ!!」

「うおっ?!」



脚をかけようとした留三郎から、Aは慌てて後ろに飛んで避ける。



「勝負だA!!」
「え!」



留三郎が続けて攻撃を仕掛けるのを避け続けながら、Aはとびきりの笑顔になっていた。



「勝負してくれるの?!一回勝負したきりずっと断られてきたのに!あの食満が!?俺と?!」

「そうだ!今回ばかりはッ、見過ごして、やれないッ、と思ってな!」

「やったあ!今日は食満と二回目の勝負した日で記念日だ!」



飛んでくる攻撃をAが避け続けながら、2人は食堂を駆け回り始めた。

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設定タグ:忍たま , rkrn , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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加糖雪(プロフ) - 乃花おむ子さん» 乃花おむ子さんこちらにもコメントくださりありがとうございます!ギャグに自信ないのですが笑っていただけて嬉しいです〜!こちらの作品はかなりゆっくりの更新になりますがよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2021年9月25日 18時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
乃花おむ子(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて笑いながら読んでしまいました……!無理のない程度に更新頑張ってください! (2021年9月24日 7時) (レス) @page27 id: 3538425ae0 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - まーぶりんさん» まーぶりんさんコメントありがとうございます!楽しんで頂けている様で何よりです…!応援ありがとうございます。今後も何卒よろしくお願いいたします! (2021年5月21日 20時) (レス) id: 22bc115167 (このIDを非表示/違反報告)
まーぶりん(プロフ) - ウッ…凄く好きです…!!ホント主様の文才が神すぎて…!更新楽しみにしてます( ゚д゚)頑張ってくださいー!! (2021年5月20日 17時) (レス) id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:加糖 雪 | 作成日時:2021年5月12日 22時

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