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「僕が投げられた焙烙火矢を打たなかったらどうするつもりだったんですか」
「どうするったって…綾部ならなんだかんだ俺に協力してくれるだろ?」
「はあ、つまり何も考えてなかったんですね」
「…そういうことになるかなあ、はは…」
Aは綾部のことを信頼していた。
実力のある賢い忍たまであると。
無条件にこちらに信頼を置き、好意を寄せるそれが、仙蔵と喜八郎にとってはなんだかむず痒い。
気に入らないという原因はそういう感じのものだった。
「立花はどう?落ち着いた?」
「…『燃えてきちゃうよ!』とかなんとか言っていたお前を文字通りどう燃やしてやろうかと考えていたところだが?」
言いながら、仙蔵は倉庫の中に立ち入って片付けを始める。
棚を立て直す仙蔵にAは手を貸してやる。
「立花が俺を恋の炎で燃やしてくれるの…!?なんか感動で涙が出てきた…!!」
「Aさん、立花先輩が言ってるのは物理的に燃やすって意味ですよ」
喜八郎もそこへ加わり、3人で片付けを始める。
「ぶ、物理的に…?それで死んだら綾部に墓に埋めてもらうことになる…?あれ、それはそれで良い気がしてきたような…」
「先輩、僕この人の死体埋めたくないんで燃やさないでやってください」
「なんで!?約束したじゃん綾部!俺のこと埋めてくれるって!あれは嘘だったっていうの…?!」
「Aは結局燃やされたいんだな?そして喜八郎はどうしていつの間にAとそんな約束をしてしまったんだ?」
「いやした覚えありませんけど」
「埋めてくれたっていいじゃん…!埋めるくらいいいじゃん…!綾部に埋められるなら死んでも後悔しないよ…!」
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加糖雪(プロフ) - 乃花おむ子さん» 乃花おむ子さんこちらにもコメントくださりありがとうございます!ギャグに自信ないのですが笑っていただけて嬉しいです〜!こちらの作品はかなりゆっくりの更新になりますがよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2021年9月25日 18時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
乃花おむ子(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて笑いながら読んでしまいました……!無理のない程度に更新頑張ってください! (2021年9月24日 7時) (レス) @page27 id: 3538425ae0 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - まーぶりんさん» まーぶりんさんコメントありがとうございます!楽しんで頂けている様で何よりです…!応援ありがとうございます。今後も何卒よろしくお願いいたします! (2021年5月21日 20時) (レス) id: 22bc115167 (このIDを非表示/違反報告)
まーぶりん(プロフ) - ウッ…凄く好きです…!!ホント主様の文才が神すぎて…!更新楽しみにしてます( ゚д゚)頑張ってくださいー!! (2021年5月20日 17時) (レス) id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:加糖 雪 | 作成日時:2021年5月12日 22時