1 「君」 ページ1
「あ、いた!」
木陰ですよすよと寝息を立てている青年を見つけたのは丸眼鏡をかけた小さい子供だった。
その子供と同じくらいである子供の影が3人分そこへ近づく。
「ほんとだ、気持ちよさそうに寝てる〜」
「ううん、起こしたくないなあ…」
学園の制服でもあるお揃いの忍者服を着た3人は、そろりと青年の寝顔を覗き込んだ。
「でも先生に起こしてきてって言われたし…」
「そうだけど…」
「起こしたら絶対面倒なことになるだろ」
「だよねえ…『乱太郎、きり丸、しんベヱ!俺の為にわざわざ起こしに来てくれたの…?!なんて優しい良い子たち…ッ!』ってまとめて抱き抱えられるよねえ…」
「そして『ありがとう、この恩は忘れないよ。お礼は何が良いかな?4人で甘味処デート?それとも添い寝とかかな?』とか言い出すよな…」
「あはは、簡単に想像できちゃう」
「もう、笑ってる場合じゃないよしんベヱ」
「4人でだとデートじゃないんだけどなあ」
「きりちゃん今はそこじゃないでしょ」
そうして結局3人は何の解決策も思いつけないまま、揃って「うーん」と腕組みして首を傾げた。
「おーい!乱太郎、きり丸、しんベヱ!」
「あ、 尾浜勘右衛門先輩!」
藤色の忍者服の彼は、3人を見つけて手を振りながら駆け寄って来る。
「こんなとこでどうしたの?」
「実はAさんを起こしてくれと先生に頼まれてまして…」
「げ、面倒なこと頼まれたねえ」
乱太郎から話を聞くなり、勘右衛門はその寝顔を覗いて思いきり嫌そうな顔をした。
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加糖雪(プロフ) - 乃花おむ子さん» 乃花おむ子さんこちらにもコメントくださりありがとうございます!ギャグに自信ないのですが笑っていただけて嬉しいです〜!こちらの作品はかなりゆっくりの更新になりますがよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2021年9月25日 18時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
乃花おむ子(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて笑いながら読んでしまいました……!無理のない程度に更新頑張ってください! (2021年9月24日 7時) (レス) @page27 id: 3538425ae0 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - まーぶりんさん» まーぶりんさんコメントありがとうございます!楽しんで頂けている様で何よりです…!応援ありがとうございます。今後も何卒よろしくお願いいたします! (2021年5月21日 20時) (レス) id: 22bc115167 (このIDを非表示/違反報告)
まーぶりん(プロフ) - ウッ…凄く好きです…!!ホント主様の文才が神すぎて…!更新楽しみにしてます( ゚д゚)頑張ってくださいー!! (2021年5月20日 17時) (レス) id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:加糖 雪 | 作成日時:2021年5月12日 22時