きっと息をやめるまで【RKRN】 (ページ4)

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なんだか言いにくそうに言葉を発したその人に、私は答える。

｢大丈夫…です。けど、動けるようになるまではお世話になります…｣

きっとこの｢大丈夫かい？｣というのは｢行く宛てはあるのかどうか｣という意味だろう。

私は、逃げる途中に両親の｢逃げて｣という叫びを聞いた。
自分たちは助からないから、せめて私だけは生きてくれという叫びだ。

その声が、しっかり耳に残っている。

だから多分、私は｢大丈夫｣なんかではない。
でも｢大丈夫｣と答えるしか無かった。

しばらくして私の家を見てきてくれた人達が帰ってきた。

幸いにも燃えず綺麗に残った着物がひとつと銭がほんの少しだけ見つかったらしく、私はそれを受け取った。

*

私は数日その場所でお世話になった。
助けてくれる大人がいて本当に有難かった。

まともに動けるようになるまで見ていてくれて、ご飯も少しだけど与えてくれた。

回復するうちに徐々に落ち着いた思考を取り戻して、あの時家にものを取りに行ってくれた人達がどれだけ優しかったか理解した。

取りに行ってあげる、なんて言ってそのまま銭を盗んでしまうとかいくらでもいいように出来るのにちゃんと渡してくれた。

本当はちょっと盗ってました、なんて言われても私にいくらかは渡してくれているので全然許せてしまうくらいの気持ちだった。

｢私、明日か明後日にはこの場所を離れます｣

村が燃やされてから何日かして、夜。
焚き火のそばに座る1人の大人に私は声をかけた。

｢そうかい。もう平気なの？｣
｢はい。この木の杖があればかなり楽に動けますし｣

身体のどこも痛くないと言えば嘘にはなるが…それでも両足の痛みもだいぶ引いたし、左脚はまだあまり動かせないが、杖をついて行けば大丈夫そうだ。

｢あの、ところで…私を、いや…けがしていた人を手当してくれたっていう忍術学園の人について、教えてくれませんか｣