きっと息をやめるまで【RKRN】 (ページ26)

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｢仮にそうだったとして、何のために忍術学園にやって来たのか…｣
｢それは決まっているじゃないですか。助けてもらったんですから、きっとお礼でも言いに来たんですよ｣
｢なるほど…｣

他に納得のできる理由も特に思いつかない。
彼女がここへ来た理由はきっとそれだろう。

それで決まりだ、という雰囲気になるが、土井先生と山田先生だけがまだ腑に落ちない様な表情のままだ。

｢ところで、彼女は今どうしている？｣
学園長の問いに、伊作が答える。
｢医務室で眠っていて、保健委員の後輩たちが責任もって様子を見ています｣

｢そうか。…して、倒れた原因は｣
｢おそらく、数日何も食べていなかったことによる栄養失調と、過労です｣
学園長は一瞬だけ何かを考え、そして頷いた。
｢ここからあの村まではかなり距離があるからのお…あの村の娘となれば納得じゃな｣

｢しかし、距離があると分かっていながら何も食べていないとはどういうことなのでしょうか…｣
｢確かに、その点は不思議ですね｣
｢何か他に理由が…？｣

｢まあそのへんはいいじゃろ。分からないことを考えたって仕方ない。目覚めたら本人に聞けば良い｣

先生たちの疑問から悪い方へと考えが広がってゆきそうになるのを、学園長は止める。

｢保健委員は彼女のことを任せたぞ。目が覚めたら食堂のおばちゃんのご飯を食べさせてやってくれ｣
｢は、はい！｣

心優しい保健委員たちへの信頼を込めた笑みに、伊作は委員長として返事をする。

｢それじゃ、解散じゃ｣

学園長の言葉を最後に、そうして集まりは解散となった。

*

｢半助、どう思う｣
｢あの子のことですか｣

職員室へと戻った山田先生は、怪訝そうな顔をする。