きっと息をやめるまで【RKRN】 (ページ3)

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目を覚ますと、青い空が見えた。

身体を動かすのはなんだかとても面倒で、そのまま空を眺め続けた。

そうしてるうちに鳥が飛んでくるのが見えた。
5羽位がくるくる回って、それから視界の外へ行ってしまう。

喉、乾いた…

そう口にしようとして、喉の少しひりつく痛みに掠れて声が出なかった。

川の水が流れる音が聞こえるから、そこで水を飲めば良い。
そう思って身体を起こそうとするが上手くいかない。
全身が針に刺されるように痛むのだ。

身体が動かないから諦めてまた空を眺め始めると、知らない大人が数人、顔を覗き込んできた。

みんなぼろぼろになっているように見えた。
どこの誰だろう。村の人かな。
…村、…村？ああ、村は…

｢お嬢ちゃん、大丈夫かい？｣
｢身体が痛むなら忍術学園の人が置いていってくれた痛み止めがあるけど…｣

喋らない、いや喋れない私を囲んで心配そうにがやがやする大人たちに、私はやっとの思いで声を出した。

｢…い、…いたみ、止め…ください…｣

*

私は痛み止めを飲ませてもらって、それからしばらくしてようやく動けるようになると上半身を起こして自分の身体の状態を見た。

お腹と右腕、左脚と両足に包帯が巻かれていた。
左腕は指先まで、両足は爪先まで丁寧に。
それから右頬と顎にガーゼのような布が当てられている。

もちろん包帯やガーゼで隠れているところ以外にも擦り傷とかが沢山あった。

それらを見て、ああ生き延びたんだ。
生き延びて｢しまった｣んだとどうしようもなく悲しくなった。

私に痛み止めを飲ませてくれた人達は、村のことについて教えてくれた。

あの村はほとんど燃えてしまったこと。
村民も助からなかった人が多かったこと。
だから、村には_村のあった場所にはしばらく近づかない方が良いこと。
どうしても取りに行きたいものがあるなら、代わりに行ってくれること。

私はその人たちに、家の場所を教えて｢燃えないで残っていれば服と銭を｣とお願いした。

私が頼んだものを取りに行った人を視線で見送ると、残った人が私に話しかける。

｢俺たちはこの救護所を継いだんだ。ここで横になってる人達がある程度回復したら立ち去ってしまうんだが、…｣

周りを見ると、まだ横になって世話の必要なけが人達がざっと10人ほどいるのが見えて、なるほどと思った。

｢その、…お嬢ちゃんは大丈夫かい？｣