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短髪の子と同じ学ランを着ている黒髪の子が、私の隣に立った。


「釘崎は」
「1階で戦ってる。加勢してやってくれ」

何やら私にはわからない話を2人は進めていく。


この人たちは一体どこの誰で、この異常事態について何を知っているのだろうか。




「あ、美術室ってここみたいなんだけど」


虎杖、と呼ばれた短髪の方が先程まで絵を描いていた美術室を指さした。


「…ッ、ああ。“いる”な」


誰もいないはずの美術室を黒髪の伏黒、の方が見つめてわずかに顔を顰める。


「これが先生の言ってたヤツだよな」
「おそらくはそうだろう」
「でも動かないし攻撃してこなくね?」
「今のところはそうかもしれないが…」


何の話をしているんだ。
私にだけ見えていない、のか?

二人には何かが見えているのであろう美術室を、なんとなく私も見つめる。

その瞬間、ぞわりとした。
嫌な感じ…ではないが、なにかの気配が確かに“ある”。




「美術室の、両腕のない幽霊……」




ぽつりと呟くと、2人はこちらを見た。



「お前、見えるのか」



伏黒、さんが目を見開く。



何が?と聞こうとするが、美術室のドアがバアンッと叩かれたように鳴った。

思わず体が跳ねる。


「後で聞く。とりあえずコイツは逃がす」
「おう」

「や、ちょっ」


私はあっという間に伏黒さんに横抱きにされた。
慌てて手にしている絵の具だらけのパレットと筆を彼に触れさせないように持ち直す。



「ここから出ます。…舌を噛まないように」


ぐん、と突き進み、体に圧がかかるのを感じた。
反射的にパレットと筆を握る手に力が篭もる。


次の瞬間に、ガラスの割れる音がして、私は空中に飛び出していた。


伏黒さんは私を抱えたまま廊下の窓をぶち破ったのだ。

3 転落→←2 夕方が消えた



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設定タグ:呪術廻戦   
作品ジャンル:アニメ
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加糖雪(プロフ) - ねむさん» ありがとうございます!続編でもよろしくお願いします〜! (2022年2月11日 4時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ - ひぇ〜!また更新されておる〜!!めちゃくちゃ良いデス!自分のペースで続編よろしくお願いします (2022年2月7日 22時) (レス) @page43 id: 38d2d0b865 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - ねむさん» ねむさんコメントありがとうございます!面白いですね〜どんな風に強くなっていくか、今後の展開に期待していただければと思います! (2022年2月7日 9時) (レス) @page42 id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ - 夢主、絵が命かけれるほど大好きなんですね!えと、絵を破かれたりしたら強くなる…みたいなことを妄想しました(><#) (2022年2月5日 20時) (レス) @page35 id: 38d2d0b865 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - るきー流季ーさん» るき―流季―さんコメントありがとうございます!絵師を目指していらっしゃるんですね。この作品をもって私も読んでくださる方を応援できるように頑張ります! (2022年1月30日 22時) (レス) @page23 id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星藍 海 | 作成日時:2022年1月20日 1時

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