6 事情聴取inファミレス ページ12
ガラガラに空いたファミレス店内。
テーブル席についた私と白髪黒目隠し男_改め、五条さんは向かい合う。
隣のテーブル席には虎杖さん、伏黒さん、釘崎さん、運転手の伊地知さんがテーブルいっぱいにドリンクと食べ物を並べてわいわいしている。
好きなものを頼んでいいと五条さんに言われ、学ランの3人はウキウキでドリンクバーとサイドメニューやデザートの類を頼みまくっていた(伊地知さんはコーヒーのみだが)。
しかしそんなお言葉に甘えるような余裕は私にはなく、前に置かれたお冷のコップを見つめることしか出来ない。
「あの3人からだいたいのことは聞いたよ」
大量の砂糖の入ったカップを、ソーサーに乗っていたスプーンでくるりとかき回しながら五条さんは言う。
「いつから見えてるの」
「…………先ほどの、学校での一件から…」
「ふうん」
そしてずずっとコーヒーを1口啜る。
きっと砂糖が溶けきらずにざらざらした口当たりだろうなあ、と想像しただけで自分の口も甘くなるようだった。
「珍しいね。普通見えるなら生まれつきだったりするんだけど」
はあ、と溜息に似た返事すら、掠れる。
何故ならこのテーブルの真横には、あの“両腕のない白い幽霊”、いや……“美術室の呪い”が立ってこちらを見ているからだ。
ちょうどウエイターさんが注文を聞く時に経つ位置だ。
そうだ、そこで立ち止まっていいのはウエイターさんだけなのだ。
それなのに、なんだ、これは。明らかにウエイターさんじゃないだろう。加えて、私ら以外には見えてないやつだろう。 速やかに退くべきだと思う。
……と、文句はここまでにして。
私が見えるようになってしまった、あの白い美術室の両腕のない幽霊は普通は見えない、“呪い”と言うらしい。
実際、五条さんのオーダーを取りに来たウエイターさんにあれは見えていないようだった。
人々の負の感情から生まれ、世の中の言う怪奇現象の類を引き起こすのが呪い。
そして秘密裏にそれを祓う仕事をしているのが、私の出会ったこの人たち___呪術師と呼ばれる人たちらしい。
「僕たち呪術師はね、呪いを呪いで祓っている。その為には呪いの力…呪力が必要になるんだけど、君にはその才能があるかもしれない」
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加糖雪(プロフ) - ねむさん» ありがとうございます!続編でもよろしくお願いします〜! (2022年2月11日 4時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ - ひぇ〜!また更新されておる〜!!めちゃくちゃ良いデス!自分のペースで続編よろしくお願いします (2022年2月7日 22時) (レス) @page43 id: 38d2d0b865 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - ねむさん» ねむさんコメントありがとうございます!面白いですね〜どんな風に強くなっていくか、今後の展開に期待していただければと思います! (2022年2月7日 9時) (レス) @page42 id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ - 夢主、絵が命かけれるほど大好きなんですね!えと、絵を破かれたりしたら強くなる…みたいなことを妄想しました(><#) (2022年2月5日 20時) (レス) @page35 id: 38d2d0b865 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - るきー流季ーさん» るき―流季―さんコメントありがとうございます!絵師を目指していらっしゃるんですね。この作品をもって私も読んでくださる方を応援できるように頑張ります! (2022年1月30日 22時) (レス) @page23 id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星藍 海 | 作成日時:2022年1月20日 1時