ゆりしーの気まぐれ小説＆日常 (ページ35)

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時々本心なのか疑いたくなる時もあるが、それは例外としておこう。

さて、もしも透明人間になる病気だとしたなら、少し違うだろうのではないだろうか。

治す薬も治療法もない。
もしかしたら最後はふっ、と姿を消して死んでしまうのかもしれない。

私は左手に巻かれた包帯を無意識に撫でていると、変態野郎は口を開いた。

「左手の火傷まだ治らねぇの？」

「痕がまだ残ってんの」

「透明人間だったらそれも消せるだろうな」

「消せるだろうね」

姿も声も他人から知覚されなくなる。
それでいて、この想いも理不尽に消してしまうのだ。

不思議と怖いと感じる事もない。
私はこの変態への恋心が消えてもいいと思うのである。

「急に黙ってどうした？生理？」

「その減らず口縫い付けてやろうか？」

「ご褒美です！」

「あっそ」

「あれ、しないの？」

「して欲しいのかよ」

「いや、お前と喋れなくなるから困る」
白い歯を見せてにししっと笑う。
そんな事を言われると未練が残るので止めて欲しい。

「......バカだろ」

本当......止めてくれないだろうか。
治る見込みの無い患者にそう言うこと言って期待させるの。

「あのさ」

「なんだ俺に惚れたのか？」

「……実はそうだったりして」

酷く驚いてる腐れ縁。
まるでふっと消えた幽霊でも見たように。

最期に見たのはそんな顔。