【計画】 ページ19
今日は田舎に住む祖母の家に泊まりに来た。
丁度同い年の従兄妹(いとこ)も泊まりに来ていて驚いた。
俺達は色んな話をしてそれぞれ祖母が用意してくれた部屋で寝ることになった。
夜。俺は何となくトイレに行きたくなり目が覚めた。
部屋を出ると暗く床がギシギシ音をたてた。
下手なお化け屋敷より雰囲気がある。
俺の部屋からトイレは少し遠い。
俺の部屋とトイレの間には従兄妹の部屋がある。
従兄妹の部屋から話し声が漏れて聴こえてきた。俺は思わず耳をすませる。
「ねえ、あいつどうする？」
「あ？殺すに決まってるだろ」
「いや、完全に殺してもその後どうすんの」
「始末するに決まってんだろゴラァ」
「だけど、めんどくさいよ」
「めんどくせーな」
「じゃあ明日の朝半殺しね」
「そうだな」
俺は殺人計画を聞いてしまった。
まさかあの二人が？しかも誰を殺すんだ。あの優しい祖母か？いや、それはないか。
それにしてもなんで俺が泊まりに来た日に限って......
嘘だろ。
まさか俺を殺す気で今日いたのか？
「テテレテッテレーンハンマ〜」
「似てねぇぞこのニセタヌキ。全身青に染めてから出直せ」
「体中の血を抜けば青くなるかな？」
「止めい！想像しただけで恐いわ！」
お前らのやってる事の方が恐いわ。
そ、そうだ。早く祖母にこの事を言わなきゃ......！
しかしそこで気付く。
従兄妹の部屋と祖母の部屋が障子を挟んで繋がっている事に。
「ふふっ明日が本当に楽しみだねぇ
あの子はどんな顔をするだろうか」
「驚くだろうね」
「そんなの当たり前だろ」
祖母も俺のことを殺す気だった。
腰を抜かしそうになったが今三人に気付かれると今殺されてしまう。
俺は震える体に何とか力を入れて部屋に戻る。もう便所の事なんて頭には無かった。
音を鳴らさない様に慎重にすぐに逃げ出したい衝動を抑える。
体はどんどん冷めていくのに心臓が痛いほど熱くなる。
なんだか視界もボヤけて行く。
やっとの思いで部屋に入ると布団の中へ潜り込む。
携帯に手を伸ばすが使えない。
充電切れだ。
しかも充電器を持ってくるのを忘れていた。
クソこれも仕組まれていたか。
そして、俺は寝てしまった。
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