ゆりしーの気まぐれ小説＆日常 (ページ14)

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【帰宅】ページ14

気にしずTVを見る。

「また喧嘩してるよ」
キッチンから怒鳴り声が聴こえる。
覚えている限りでは毎年この時期に喧嘩している。

ｷﾞｬｰｷﾞｬｰ

「お盆に喧嘩とか無いわ」

キッチンで喧嘩とかいい加減にしてくれないだろうか。
ジュースが飲めん。

ｷﾞｬｰｷﾞｬｰ

「何かやってないかなぁ」
床に置いてある新聞を見る限り今やっているドラマが面白いそうだ。

ｷﾞｬｰｷﾞｬｰ

喧嘩の声もそれほど大きくないからドラマに集中出来る。
いや、大きくないけどね？大きくないけど。

ｷﾞｬｰｷﾞｬｰ

「うるせぇし！近所より俺に迷惑なんだけどー！」

ｷﾞｬｰｷﾞｬｰ
声は弱まりそうもない。
すると、上からダンダン音が鳴る。

「うるさい！勉強してんだからいい加減にいてよ！」
上の階から怒鳴り声。いつの間に帰っていたのか。
声位かけてくれてもいいだろう。

「ほら、姉ちゃんに怒られたじゃんか」

ｷﾞｬｰｷﾞｬｰ

それでもTVから目を離さない。
どうでもいい事だからだ。

ｷﾞｬｰｷﾞｬｰ
離婚するだとか
怒鳴る声だとか
すすり泣きする声だとか

どうでもいい。
それよりドラマの邪魔をするの止めてくんねぇかな。

ｷﾞｬｰｷﾞｬｰ

「あーもう.....うっせーなぁ」
キッチンに行けないから二階に逃げる。

ノックして返事は聞かず入る。
「姉ちゃんいつもの貰っていい？」

「また？いっつもじゃん」

「親が留守の時にいつもなんだよね。この引き出し？」

「そっちの棚にあるでしょ」

「本当だ」

「嘘言ってどうすんのよ」

「あのさぁ姉ちゃん」

「何よ。ヘソクリならあげないわよ」
姉ちゃんヘソクリしてたんだな。知らなかった。

「姉ちゃん趣味悪いよな。黒魔術とかさ」

「馬鹿にすんじゃないわよ。呪うわよ」

「ごめんって。このお札借りてく
てか、黒魔術なのに日本のお札って.....」

「文句言うなら使うな」

「あのさ、姉ちゃん」

「今度は何？」

「お盆だしさ。今日くらい勉強しなくていいだろ」

「別にいいじゃない」
人が気を使ってんのに本人はこれだ。

「.....いってくる」

「いってらー」

ｷﾞｬｰｷﾞｬｰ

「幽霊の癖にうっさいんだけど。お盆なんだから帰れ」
キッチンに塩を撒いてドアに札を貼る。

やっと静かになった。

「姉ちゃーんお札効いたよー

.....姉ちゃん？」
返事が返ってない。