朝からフラグです。 ページ13
次の日、集合場所にユキちゃんはいた。
なんと声を掛けていいか迷ってしまう。
グズグズしてる私に気付きユキちゃんは一回、目を逸らしてから「おはよ」と言ってくれた。
『ユキちゃーんおはよう!』
堪らず嬉しくなった私は近所迷惑なんて考えずに叫んでしまった。
「カヨうるさい」
『そうだね!』
「うるさいってば」
そこでやっと寝惚けるハルちゃんが来た。
ユキちゃんがいることに驚いてないから、解ってたのかな?
「はよ......」
『うん、ハルちゃんもおはよう!』
なんだか昨日の事が嘘のように思えてきた。
「あ、てめぇなんでいんだよ!」
なんだ、気付いてなかっただけか。
「だからうるさいって」
『いるからいるんだよ!』
でも、嬉しいのだ仕方ないだろう。この嬉しさを声に出さなきゃ爆発しそうなのだ。
「あんまりうるさいと......ほらね」
ユキちゃんは私の後ろを見て、溜め息をついた。
そして、ハルちゃんも「......死亡フラグだな」とか言ってる。
「おはようクソガキ共」
この時、振り向けた私は間違いなく勇者だ。
そして誰よりもこの妖怪に近付けられたと後世まで語り付かれるんだ。
近所の妖怪、ガン・コハゲール=オヤージ
通称、頑固オヤジ
代々、小学時代から受け継がれるあだ名。
桃花ヶ丘小学校(とうかがおか)の卒業生なら誰もが知っている。
一時期桃花ヶ丘の七不思議に入ってたとか。
そこでハッと我に帰る。
目の前には波平さんよろしくのハゲ頭にチョビヒゲ、和装に腹巻き、下駄を履いて薄汚れた竹箒を持っていた。
なんで、和服に腹巻きしてるんだろう。それに固結びされてるよ誰か教えてあげて。
「このガキ共、朝から何騒いどるんじゃ!!!」
『ひぃぃいごめんなさいぃぃいいい!!!!』
再び現実逃避してたが妖怪の手により、現実に引き戻らされた。
現実逃避してる間にあの二人の背中が見えた。
畜生、私を置いて逃げやがった。
『ごめんなさいごめんなさいそっちの方がうるさいですよごめんなさいごめんなさい』
私も逃げたい、だけど逃げるには近過ぎる。
竹箒のリーチ。
前に竹箒だけで隣り町の中学にいるジャイアンを倒したらしい。恐いわ。
「......なんじゃと!!!」
『顔怖いぃぃい』
半べそになりながらどんどん離れる作戦。
『いたっ』
するとつまずいて尻餅をついた。
「観念するんじゃな」
目の前には妖怪ハゲオヤジ。
『死亡フラグ......』
これは絶体絶命のピンチだ。
4人がお気に入り
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ゆりしー2号(プロフ) - 流星さん» ありがとうございます!更新は遅いと思いますが頑張っていきます! (2015年9月28日 0時) (レス) id: 0122e64e7c (このIDを非表示/違反報告)
流星 - 自分的には面白かった!頑張ってね(o^o^o) (2015年9月27日 22時) (携帯から) (レス) id: 50c14abcd7 (このIDを非表示/違反報告)
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