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朝から勘弁してくれ。 ページ2

梅村カヨ。小学5年生。



眠い。

例え顔をバシャバシャ洗っても、前日に早く寝ても
眠いと思うのは私だけじゃない筈だ。

大体の人が体がダルかったり、頭が働いてなかったりするだろう。


私も少し頭がボケている。
出来ればまだ布団の中に入っていたかった。

そういう訳にもいかず、両頬を叩き意識を覚醒させる。


眠気の残る頭でいつも思うことがある。


『.....外が騒がしい』
またかと呆れつつ、毎度の事で慣れてしまった。




「カヨ、忘れものしてない?」
玄関で靴紐を結んでいるとママが心配そうにきた。
お、今日は蝶々結び出来たぞ。

『大丈夫だって。いつも忘れる訳じゃ無いんだから』
そう言うと疑いの視線が向けられる。昨日は筆箱を忘れたけど今日は大丈夫だ。



ガチャッ

『いってくるね』

「ええ、ランドセル背負いなさい」
ママに手を振って外へ出ると少しばかり風が冷たい。
もうすぐ夏だが朝はちょっと寒いようだ。


『.....はぁ』
そして、目の前には胸ぐらを掴み合う二人。
私の家が真ん中だから喧嘩はいつも家の前でするのだ。
それに二人は眠気を知らないのか羨ましい。





「んだと.....やんのかゴラァ」
竹田晴(ハル)小学5年生。
黄色い髪が特徴の通称ハルちゃん(私命名)。
それから体中に絆創膏をいつも身に付けるわんぱく小僧。


「服伸びる。離せ馬鹿ハル」
松井優希(ユウキ)こちらも同学年。
青色の髪で、優しい方だがハルちゃんには駄目らしい
通称ユキちゃん(私命名)。


「お前こそ離せ馬鹿ユキ」
そして、この取っ組み合いは恒例行事。
顔を会わすとすぐ喧嘩を始める。ホント飽きないな。



『おはよ、喧嘩するなら学校でしてよ』
まだ言い合ってるよ。絶対私の声聞こえてないよ。



「だからさ、ランドセル取りにいってこれば?
僕はカヨと学校行ってるから、お先に」

「ちょっとは待ってやろうとかないのかよ!」

「僕がお前に優しくしてやる訳ないだろ」

「冷たいてぇな、この雪男!」

「熱すぎるアホに言われたくない」


『私の話も聞いてよー』
それに勝手に決めないで欲しい。仲良くしようよ。

学校に行きたいな。
しかし、喧嘩を止めようとしない馬鹿二人。

そして、気付かれない私。



『はぁー』

小さな手を息で温めた所で、
私は(いつもの)最終手段を発動させた。

最終手段は最強です。→←プロローグ



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設定タグ:初のオリジナル , 言葉のいらない約束 , ゆりしー   
作品ジャンル:笑える話
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ゆりしー2号(プロフ) - 流星さん» ありがとうございます!更新は遅いと思いますが頑張っていきます! (2015年9月28日 0時) (レス) id: 0122e64e7c (このIDを非表示/違反報告)
流星 - 自分的には面白かった!頑張ってね(o^o^o) (2015年9月27日 22時) (携帯から) (レス) id: 50c14abcd7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆりしー2号 x他1人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2015年5月19日 21時

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