【文スト】花使いと人虎【中島敦】 (ページ7)

今日:7 hit、昨日:23 hit、合計:35,418 hit

第6輪ページ7

前回のあらすじ☆←

やっほ～！みんなのアイドルAちゃんだよ☆((殴

前回、国木田さんと一緒にドアの向こうから出てきた着物の人にスカウトされたところだよ！

以上！！！

『えっと、なんで私なんです？しかも、ここの仕事内容もわからないし…』

知り合いいる方が仕事は安心できるけどね。

「ここは〔武装探偵社〕。そういえば、わかるかね？」

着物の人がそう言った。着物の人って言い難いな。多分、ここの社長だから、社長と呼ぼう。

そういえば、武装探偵社といえば、調査員の多くが異能力者と聞いたことがある。

さっきので、私が異能力者だとわかったのかな。

『その武装探偵社が私をスカウトしたのは事務員としてですか？それとも調査員としてですか？』

私は分かっていても、事務員の方を先に出した。

「あれ？Aちゃん、薄々わかってるんでしょ？」

太宰さんがニヤリと笑った。

『太宰さんが言ってた「待っている」とはこの事だったんですね。で、スカウトは後者。ですね？』

その通り。と太宰さんが言った。

「その通りだ。君は異能を持っている。」

「それもとびっきり素敵な能力をね。」

太宰さんが言った。私の能力は素敵だ、と。

本当にそう思う？この能力が素敵だと？

『この能力、使い道無いですよ。ここに入っても能力は意味がない。雑務しか出来ませんよ。』

私の能力はどこから風と共に花が来るのか。

どっかの花屋、どっかの庭、どっかの花畑かもわからない。

もし、店から来るとしたらそれは犯罪になる。

「そんな事ないよ。」

太宰さんはそう言った。

『じゃあ、ここに入れば、私の能力がどのように役立つんですか？私のは攻撃系の能力ではない。』

社長は、うむ。と考えている。

「そうだね。確かに今の君の能力じゃ役立たないね。だけど、ここに入れば確実に変われる。役立つ能力になるよ。」

太宰さんはそう言った。

私はずっと膝の上に置いていた手を見た。

本当に変われるのか。こんな私でも役に立てるのか。

ここに入れば、私の能力も意味を持つことが出来るのだろうか。

そしたら…、母と父は報われるだろうか。

『その、確実に変われる。っていう話、本当ですか？』

私は顔を上げ聞いた。