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第10輪 ページ11

やたらと見かける黒いスーツ。






普通のサラリーマンとかではない。






だと、大体見当はついた。






『ポートマフィアね…』






敦くんが頷いた。






当たりだったらしい。






能力をここで使うのは難しいな…






一般人いるし…、んー。






よし、逃げよう。それが一番いいや。






怪我した人の腕を自分の首に回し、






『とりあえずは逃げるので。もし、またどこかで会ったら



















__________手加減しないので。』






敦くんと怪我人と全力で走った。






黒いスーツはぽかんと口を開けて追いかけることもしなかった。






いや、追いかけてきた。ちくしょう。←






「だよね!?普通に考えて追いかけてくるよね!?」






敦くんが言った。まったくその通りだね。






路地裏から出て広い道路に出た。






人がゴミのように沢山いた。←






その中に混ざればとりあえずは逃げ切るだろう。






敦くんと顔を見あって落ち着いた。






うん、天使だ。






怪我人の手当をし、あとは自分でなんとかなると言ってたので放置した。






『それにしても、事件ってあんまり起きないね』






だね〜、って敦くんが言った。






そういえば、入社試験ってなんだろう…






気になって敦くんに聞こうとした時、後ろから叫びが聞こえた。






後ろを振り向くと、敦くんの体を黒い何かが貫いていた。






『敦くん!?どうしたの!?じゃない!これは何!?』






慌ててはダメだ。落ち着け。冷静に考えろ。






敦くんの体から黒い何かがどっかに戻っていった。






どこかに本体がある。ということか。






「Aちゃん…」






敦くんが立ち上がろうとしていた。






白いシャツが赤く染まっていく。






「君は逃げるんだ。あいつに会ってはいけない。」






『そんなのダメだよ!その状態でさっきのやつを倒すの?そんな怪我じゃ…!』






敦くんは立ち上がり、黒い何かが戻っていった方を見た。






「僕はあいつを止める。時間稼ぎをするからAちゃんは逃げて」






怪我した人を放って逃げろと?






それはちょっと不快だな。






私も敦くんと同じ方を見る。






『私、怪我した人がいるのに自分だけ逃げるなんてしないよ。あとあと悔いが残らないようにね』






言葉と同時に風が吹いた。









風は私達の味方をしてくれるらしい

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作者名:ゆきれあ | 作成日時:2017年2月23日 22時

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