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「おばあちゃーん!ただいまー!」
「あらA、おかえり。はやかったわね〜。」
田舎の家の引き戸を開ければ、おばあちゃんがニコニコ出迎えてくれた。
「うん。聡が迎えにきてくれて…」
「こんにちはー!」
「聡くんほんとにいってくれたの?ありがとうね〜。」
おばあちゃんがニコニコしながらお礼を言えば、つられて聡もニコニコ。
和むなー…って違う。
「そう!」
「うお!何?Aちゃん。」
「違う!聡じゃなくて!おばあちゃん腰痛めたって…」
「あぁ〜、腰ね。たいした事ないのよ〜。」
歳かしらね〜とおばあちゃんはまたニコニコ。
そんなおばあちゃんを見て聡は呆れ顔で言う。
「あんな量の野菜持ったらみんな痛めるよ…。」
「おばあちゃん…。」
おばあちゃんは誤魔化すようにふふふ、と笑った。
「そうだA、散歩でもしてきたら?」
「散歩?今来たばっかりなのに?」
荷物を部屋に置いてくると、聡と世間話をしていたおばあちゃんがニコニコしながら言った。
「久しぶりに帰ってきたんだし、いろいろ見てきたら?晩ご飯までに帰ってくればいいから〜。」
「いろいろって…雑だな…。聡だって暇じゃないでしょ。」
「僕はだいじょうぶだよ!」
「いいんだ…。」
そんなこんなで、聡と散歩することに。
少し歩けば、懐かしい場所も懐かしい話もたくさん出てきた。
あの小さな小さな小川でふたりでよく遊んだよね。ふたりしてびしょ濡れになって、風邪ひいちゃってたっけ。
あそこのイチョウの木の下にいるお地蔵さんにいっしょに花束つくってお供えしたよね。花冠もつくってお地蔵さんにあげたね。
「じゃあ次は…」
「あれ?松島じゃん。」
「マジで?」
「ほんとだ!松島くーん!」
声がしたので振り返ると、同い年くらいの男の子2人と女の子が聡に手を振りながら近寄って来た。きっと聡の学校の友達なんだろう。
「あれ?みんなどうしたの?」
「どうしたの?じゃねーよ。夏祭りの手伝いだよ。」
「毎年ダルすぎる…今年なんか焼きそば屋たぜー?絶対あついじゃん…。」
「松島くんもこれからいっしょに行こうよ!」
「あぁ…いや、僕は…」
ちらりと聡がわたしを見る。するとみんなわたしを見る。
「聡行ってきなよ。わたし1人で帰れるし。」
「いやでもAちゃん…」
「いいって言ってるでしょ。じゃあね。」
聡を置いて、1人で帰る。
ここでもわたしは、邪魔者で厄介者。
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桜色にゃんこ。(プロフ) - ☆さん» ご指摘ありがとうございます!まったく気づかなかった…!さっそく直しますね!バンソウコは実は表現でした。かわいいかなと思って…笑 見つけてくれてありがとうございました!気をつけます!これからもよろしくお願いします! (2019年6月9日 16時) (レス) id: df064b5f69 (このIDを非表示/違反報告)
☆ - ページ3【二年生にはネージャーの先輩がいないから】→マネージャーの先輩、 ページ6【バンソウコ貼っちゃって。】→バンソウコウ だと思います。 (2019年6月9日 14時) (レス) id: 44d28ad2ed (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ。(プロフ) - SexyGirlさん» コメントありがとうございます!!感動していただけて嬉しいです。゚(゚^o^゚)゚。 (2015年6月22日 16時) (レス) id: 924590d4bc (このIDを非表示/違反報告)
SexyGirl(プロフ) - 健人くんファンだからなのか、健人くんのお話読んで泣きそうになりました!笑 学校で読んだので涙を堪えました笑 (2015年6月22日 13時) (レス) id: 016237a4bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜色にゃんこ | 作成日時:2014年11月7日 19時