【鬼滅の刃】鬼に恋をした【猗窩座】

第三十九話 ページ40

あれから、どれほど経ったのだろう





『…………』






胡「Aさん……」



Aさんは、あれ以来口数も少なくなり、笑わなくなった


笑うことがあってもそれは作り笑いで、無理をしているようで...



胡「Aさん...話を、聞かせてもらっても大丈夫ですか...？」






『うん、そうだね...そろそろ話さないと……』






胡「ゆっくりで大丈夫ですよ」







『うん、私ね幼い頃、鬼に助けて貰ったことがあったの、私はその鬼のことが今でも頭に残っていて、それで、ある時いつもお世話になっているおばさんに「最近鬼が出現してるらしいから気をつけてね」と言われて、家の戸締りをしっかりしていたの。だけど、その晩に鬼が現れて、最初は怖かった。死ぬんだと、』



それからAさんは、今までの事を話してくれた

現れた鬼が上弦の参の猗窩座だったこと


毎晩猗窩座が襲うことなく会いに来てくれていたこと


いつの日かお互い好きになっていたこと





胡「そんなことがあったんですね……だから、あの時竈門君が鬼の匂いがすると言っていたんですね...」






『うん、しのぶちゃん嘘をついてしまって本当にごめんなさい、しのぶちゃんに嘘をつくのは辛かった、だけど愛しい人を裏切ることも辛かった……ごめんなさいごめんなさいっ...』





胡「Aさん、もういいんです。いいんですよ、話してくれただけで私は。ありがとうございます、辛かったですよね、私の方こそすみません...」






『しのぶちゃんは何も悪くないよ、騙して本当にごめんなさい...』






胡「謝らないでください、もう、ほら、泣き止んでくださいよ〜、困りましたね...(ｸｽｯ」





『ありがどぅ……(ｽﾞﾋﾞ』

しのぶちゃんは優しく私を抱きしめてくれた


あぁ、私はいい人に巡り会えて幸せだ……




ありがとう、しのぶちゃん

第四十話→←第三十八話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す