あの日 ページ8
暁目線(過去)
帰り道はすでに暗くなっていた
スマホの時計は８時になろうとしていた
暁:ずいぶん遅くなっちゃったな…
早く帰らないと両親が心配する
すると、遠くから男女のいい争いが聞こえた
女性:やめて、放してお願いします!
け、警察呼びますよ!
男:おう、呼んでみろよ!
警察なんてなぁ、俺の犬だ
相手にもされないだろうがなぁ
女性:いやっ、やめて!
放してください!
男:うるせぇ!とっとと車に乗れ!
お前らのような無能な連中はなぁ…
黙って俺の「舵取り」に従ってりゃいいんだよ
女性:い、痛い…っ
あのままだと危ない…っ
咄嗟にそこへ向かう
暁:やめろ!
男:あ?なんだガキ…
女性:た、助けて…!
暁:っ…
男:なんだぁてめぇ…あぁ!?
殴られるのは予想していた
体を捻り、男の拳を避ける
その男は酔っていたせいか、足元がおぼつかない
ゴンッ!
男:ぐあっ!
制御できず、男はガードレールに鈍い音をたててぶつかった
男:いてぇええっ!
街灯の光でポタリと血が滴るのが見えた
男:…っ、このガキぃ
黙って殴られてりゃいいものを__!
訴えてやる
お前の人生もう終わりだ!
そっちが勝手に転んだくせに、何子供みたいなことを…
女性:や、やめてください!
これ以上するなら、あのお金のこと告発しますよ!
いいんですか?
男:そんなの「お前が勝手にやった」って言えば済む話だ
女性:うそ…だって、私は指示通りに…
男:俺を誰だと思ってるんだ?
この男…!
男:おい、お前
警察にはこう証言しろ
「ガキが、いきなり俺に乱暴をしてきた」ってな
ちょっとでも余計なことをしゃべったら…わかってんだろうな?
女性:で、でも…そんな…
男の背後に赤く点滅したライトが現れる
警察だ
男:俺に逆らったらどうなるか…
お前らに思い知らせてやる
警察1:すみませーん
このご近所から通報があったのですが
何かありまし__
警察2:あ、貴方は!
警察はこの男を…知っている?
いったい誰なんだ?
男:どういう状況だった?
警察の方に説明してやってくれ
女性:…そ、その少年が、突然殴りかかってきて…この人を強く突き飛ばしました
それで、この人が…怪我を…
暁:!?
男:だ、そうですよ
暁:そ、そんな…!
なんで…俺は!
男:それと…俺の名前は一切でないよう、処理してくれたまえ
どういう意味か…わかるよな?
警察1:は…はっ!
おい、確保しろ!
暁:どうして…!
警察2:わかったわかった
署で話を聞く!
警察1:連行しろ
助けようとしただけなのに…!
俺の正義は間違ってたのか?
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作者名：華蓮 | 作成日時：2020年2月22日 0時
