隠語 ページ36
暁目線
段ボールが置かれている傍にそれらしき人物がいた
恐らく彼のことだろう
ホームレス:何だよ、そんな怖い顔して
俺に用があるの?
暁:バイトがしたいです
ホームレス:バイトがしたい?
どうせ、ただのバイトじゃないんだろ?
悪いことは言わんから、止めときな
付け込まれて毟られるぞ
あいつら、容赦ないからな
俺の仲間も何人かやられた…
あいつら、やりたい放題やりやがって…
A:彼らに会う方法、知ってますか?
ホームレス:この時間、ウロついてりゃそのうち声かけてくるだろ
後で泣き見ないように、見分け方を教えてやるよ
暁:見分け方?
ホームレス:あいつら、妙な言葉を使ったりするんだ
「隠語」ってやつだな
スジ者同士の暗号みたいなもんだ
おかしな会話を聞いたら、気を付けな
昼間でも、平気なツラして声かけてくる
特に若い人は狙いやすいからな
A:わかりました
ありがとうございます
会話が終わると同時にスマホに着信が来た
皆の情報にホームレスが言っていた「隠語」に関わるものがあった
「強いクスリ」、「高額バイト」
「いい氷と野菜が入った」「明日は雪だ」
飯田が言っていたセントラル街に向かった
セントラル街の人通りが少ない路地に向かう
A:ここら辺なのかな?
暁:合っていればいいが…
??:こんにちわ
後ろから聞き覚えのある声をかけられる
振り向くと、先程から自分達の行動を監視している新島真がいた
真:ボス探しの件、進んでる?
暁:渋谷は広いから、見つけにくい
真:まぁ…そうね
男:そこのお三方、ヒマなの?
いい仕事あるんだけど
また声が聞こえた
奥から金髪のチャラい男が現れた
「いい仕事」…もしかしたら
男:すげぇ楽なやつ
俗にいう運送業的な?
真:探す手間が省けた
男:高校生だよねぇ?
お小遣いだけじゃ足りないでしょ?
真:運送って、恐いモノの…とかですか?
ストレートに聞くかそこ
男:ハハ、このお嬢ちゃん面白いこと聞くねぇ
真:言えないんですか?
やっぱり恐いもの…
男:ハ?
つかなんなの?質問ばっかじゃね?
なぁ?
ここで止めないとまずいな
暁:暴力はよくない
真:貴方…
男:…冗談だよ
ガキ相手にマシになるかよ
つか、付き合ってらんねぇし
真:あの、お手数でしたら私の方から、責任者の方に伺いましょうか?
A:あの先輩、それくらいに…
男:うちのボス、誰だか知ってて言ってる?
…って、んなわけないか
なんか君らめんどくせーから他あたるわ
じゃあね
男は俺達の相手が嫌になったのか、その場を去っていった
122人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:華蓮 | 作成日時:2020年2月22日 0時