裏切らないで ページ32
貴方目線
翌日の授業、暁や杏、自分も不安な感情でいっぱいだった
昨日の新島先輩の話していた事について
一刻一刻と約束の時間に近づく
放課後のチャイムが鳴ると荷物をもって、屋上に向かう
扉を開けた先には、すでに新島先輩本人が待っていた
真:来ないかもって思ってた
杏:「改心させたい相手」って誰なの?
A:それを聞くために来たんですから
真:…あるマフィアの「ボス」
杏:マフィア!?
竜司:何言い出してんだ!?
真:図に乗ってそう名乗ってるそうよ
フィッシング詐欺の元締めらしいの
最悪なのは、奴らに目をつけられたら徹底的に脅され続けること
詐欺の片棒を担がされて、家族まで脅迫され破滅するまで追い込む
竜司:マジかよ…
暁:その情報、何処から?
真:うちの生徒にも被害者がいるらしいの
杏:うっそ!?
A:学生にまで…
真:彼らは子供を中心に狙ってる
いくら立場が弱いからって、子供に脅しをかけるなんて…
最低
竜司:そのボスの名前は?
真:さあ、わからない
彼らに脅されて証言しないから、警察ですら実情を把握できないそうよ
暁:名前がわからないと困る
A:わからないとなると…調べるの?
杏:そこから調べろってこと!?
真:「正義」を語る怪盗団なら、それくらいやってみせなさいよ
それとも、明智くんの言う通り、正義なんて存在しないのかしら
存在しない正義なんて……ない
暁:…詳しく聞かせてくれ
真:彼らは渋谷を中心に活動している…
それだけが頼りの情報
期限は２週間
過ぎれば、全ての証拠を警察と学校に提出する
私の期待、裏切らないでね
裏切らないで…か
新島先輩はそう言い残し、屋上をあとにした
モルガナ:完全にアッチのペースだったな
竜司:何が期待だ、クソッ
上から指図しやがって…
モルガナ:祐介に連絡だ
暁:あぁ
A:…
杏:A?
A:…なんで上の人ってこう偉そうなんだろうね…
自分が正しいって…勝手だよ…
そんなことだから…大きな犠牲になるものがあるって言うのに…
そんなことだから、人の命だって…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 122人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：華蓮 | 作成日時：2020年2月22日 0時
