視線 ページ20
暁目線
夏服に衣替えとなった時期になる
いつも通り休み時間に廊下で3人と集まる
気づかれない程度に話をしているとヒソヒソと話し声が聞こえてきた
その会話に耳を傾ける
女子1:ねぇ、碧谷さんの雰囲気結構変わったよね
女子2:そうだよね
それに、喋るようになったしね
女子1:あの3人と一緒にいること多くない?
親しそうだし、それに高巻さんも…
俺達と一緒にいるAが話題にあげられていた
この数日で変われば噂になるのも仕方がない
また別のところからも話が聞こえた
男子1:なぁ、碧谷さん見たか?
男子2:あぁ…顔めっちゃタイプなんだけど…
男子1:地味な子だなって思ってたけど、まさかあんな美人なんて…
男子2:碧谷さん、可愛すぎるだろ…
あんなに可愛い子、どこにもいないだろう
それに初めて顔を見せてくれたのは俺達だ
男子2:いいよなぁ、あの2人
男子1:相手は問題児と例の転校生だぞ?
どこがいいのやら…
チラリとこちらを見られ、噂話が止まらない
最近、周りからの視線が多くなった
転校当時もそうだが、問題児の竜司や杏、無口だったAと話しているとよく視線が集まっている
竜司は「怪盗団で身に付いた魅力がでてんじゃね?」とか言っているが、そんな自惚れたことじゃない
というより、俺達が怪盗団であることは三島ぐらいしか知らない
別の意味での視線
杏:もうそろそろ次の授業に行かないとね
A:次って美術だっけ?
暁:向こうの校舎だから移動しないとな
竜司:お前らマジメだな
杏:あんたと一緒にすんな
A:今後の進路に関わるから
杏:そうよ
竜司は暁とAを見習ったらどうなの?
竜司:ほっとけ!
A:早くいかないとチャイム鳴るよ
暁:じゃあ後で
竜司:おう
机から教材を出し、美術室に向かう
その道中、別の視線があったことを知らずに
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作者名：華蓮 | 作成日時：2020年2月22日 0時
