助け ページ15
暁目線
秀尽学園のイベントの一貫として、まだ暑くない時期に清掃活動がある
朝ジャージを着て井の頭公園へと向かうため、渋谷駅へ向かった
A:あっ、暁!
暁:!A、おはよう
A:おはよう
モルガナ:ようナマエ
A:モルガナもおはよう
朝からAに会えるのは嬉しい
…折角だから、一緒に行きたい
暁:一緒に行かないか?
A:うん、いいよ
じゃあ行こっか
並んで次に乗る電車のホームへ向かおうとした
A:…!
暁:どうした?
A:あそこで話してる女の子…秀尽の子だよね?
男性に絡まれてない?
Aの視線の先を追うと、見覚えのある女子が男に絡まれていた
女子はその場から立ち去ろうとした時、しつこい男なのか、女子の手を取り行く手を阻んでいた
周りの人々は巻き込まれたくないためか、見て見ぬふりをしていた
A:助けた方がいいね
あの男性、なんか良くないこと考えてる
暁:あぁ、行こう
Aと一緒に女子の元へと歩みよる
男:何?
A:私達の後輩に何してるんですか?
芳澤という女子:!
暁:嫌がっているだろ
男:人聞き悪いな、ただの親切だよ
怖かったのか、芳澤という女子は俺達の後ろに隠れた
A:こんなにも嫌がってるのに、親切ですか
男:なんなんだよ…
大したこととないのに、お高くとまりやがって…!
A:警察、呼びますよ?
男:チッ…
苛立ちを表しながら、男は舌打ちをしてその場を去っていった
芳澤という女子:…!すみません!
本当に、ありがとうございました!
暁:もう大丈夫か?
A:変なことされてない?
芳澤という女子:はい、大丈夫です!
ちょっと、怖かったですけど……
あ、あの!
暁:?
芳澤という女子:ひとつ…お聞きしてもいいですか?
その…どうして助けてくださったんですか?
…あぁそうか、噂か
そんなイメージを持たれてるなら、仕方ないか…
けど…
暁:見て見ぬふりは出来ない
芳澤という女子:なる、ほど…
あ、変なこと聞いてしまってすみません
先輩達も清掃活動ですよね?……清掃活動?
芳澤という女子はスマホを取り出し、時間を見た瞬間、焦った顔になった
芳澤という女子:もうこんな時間!
すみません、全然お礼もできてないのに…!
私、ジャージ学校に忘れたんで、取ってから行きますから!
また後で、先輩さえよければお話しさせてください!
失礼します!
芳澤という女子は礼儀正しくお辞儀をして、駅の中へと消えていった
暁:俺達も行こう
A:うん
井の頭公園行きの電車に乗り、向かった
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作者名：華蓮 | 作成日時：2020年2月22日 0時
