ラテンな君と【ホセパン】

出会い ページ4

？「ｱﾗﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾋﾟﾔ…」



一体どこまで行くんだろうこの鳥は。

さっきからずっと走り通しである。

いや、もしかしたら目的地なんて無くて、ただ適当に走り回ってるだけなのか？

だったらどうしよう…





息も上がり、そろそろスタミナが限界になってきたその時



「！！！明かりだ！」


なんと目の前に小さく明かりが灯っている！




もたつく足で近づいてみると、一軒の家を見つけた。

サイズ感からして、私と同じ、鳥のお家らしい。

中からは、なにやら楽しげな音楽が聞こえる。




いいなぁ、温かくて。

この家の人達は私を迎え入れてくれるだろうか。





さっきの鳥が家のドアを叩いて、勝手に中に入っていく。そういえば、名前を聞いていなかった。

せっかく道案内してくれたんだから、お礼を言わなくちゃ。


？「はいはーい！どちら様？っておおぉっ！！？？なんだこいつ！？」

？「あぁ、それはアラクアンって鳥さ…」


この家の住人の声がする。

あぁぁ〜優しい人達だといいなぁ…

飼育員以外と会話するのは初めてなので、緊張で心臓が今にも飛び出しそうだ

でも今しかない！！！

私は閉めかけられているドアの隙間に、必死に駆け寄った。




「…ハァ、ハァッ…あ、あのぉ〜すいません…」




初対面でこのザマで申し訳ないけど、全力疾走の直後なんです



するとドアの隙間から、ヒョコッと赤いトサカのお兄さんが顔を覗かせた。

彼は目が合うと、驚いた顔をしてから、すぐに満面の笑みを浮かべた。



？「カランバ！可愛い女の子がいるぜホセ！こんな夜中にどうしたんだい？！」



すると、お洒落なカンカン帽を被ったお兄さんがドアを大きく開けた。



？「おやおやお嬢さん！外は寒いだろう。家に入ったらどうだい？」

？「ほらほら、遠慮すんなって！！！」




フレンドリーなトサカのお兄さんに腕を引かれ、帽子のお兄さんに背中を押され、私は半ば無理やりこの二人のお家にお邪魔することになった。

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