雪の舞う病院３

オモイとリアルと ページ23

渡辺side



キンコンカンコンの合図でざわざわとする教室。




みんなリュックを出して、




机を漁って、じゃあね〜とか、




はやく行こうぜとか。




みんな授業からの解放感からか、



少しだけ声が大きい気がする。




俺は退院した時の約束もあるし、



まっすぐ家に帰る組なんだけど、




なんだか今日はバタバタと仲良く出ていく運動部組が気になって、




パッパッとユニフォームに着替えてる人達を眺める。




、、、かっこいいな、




野球部がずっとワイシャツの下に黒いの着てる感じとか、




サッカー部がぱっぱと着替えてワーワー出てく感じとか、




それを眺めながら無所属の俺はとぼとぼと下駄箱まで歩く。





その中でも一番気になったのは、




「あ、今日体育館半面使っていいってよ！」


「やった！早く行こうぜ！」




俺をバタバタと抜かしていった先輩っぽい人たち。





てろんてろんの生地のバスパン？っていうのを履いて




上もオーバーサイズな感じの半そでで、




なんだかゆるっとしててめっちゃかっこいいバスケ部。





テレビとかで試合は何回か見たことはあったけど、




目の前にすると練習着でもやっぱりかっこいい。





なんだか気になってそのまま体育館の入り口まで。




先生との約束があるのはわかってるけど、




なんだか止められなくて、




体育館に吸い込まれるように入っていく人を眺める。




しばらく眺めてると、




ボールが出てきて、ネットが張られて、




キュッキュッと靴の音が鳴る。




ドンドンっと跳ねる音。




こんなに大きな音なんだ。




跳ねてるボールは1つか２つなんだろうけど、




耳に飛び込んでくる音は、




すっごい大きくて、




胸にまで響く感じがして、



こころもトントンっと跳ねる。

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