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敦「いっそ死んでしまえばいいのでしょう...」
その瞬間、頬に鋭い痛みが走った。
突然の衝撃に僕は座り込んでしまう。
「莫迦だ...君は本当に莫迦な奴だ......！！」
僕の頬を打ったのは、眼前のAさんだった。
敦「死んでしまえばいいのでしょう！？そんなことを本気で考えているのか君は！！」
Aさんは泣いていた。
落ちる涙が夕日を反射して煌めく。
「君は...敦君は...！
君の事を思っている人の事を、考えた事は無いのか！！」
"僕の事を思っている人"
そんな事、微塵も考えたことは無かった。
だって、僕には
敦「僕には...思ってくれている人なんて...！」
「居るさ！！なら何故太宰さんは君を探偵社に引き入れてくれた！！
国木田さんは君に丁寧に仕事を教えてくれた！！
乱歩さんだって、社長だって...！！」
そう言ってAさんは泣き崩れてしまった。
「それに...私だって......
君の事を、こんなにも思っているのに...。」
敦「...えっ」
突然の告白に思考は付いて行けなかった。
何故？ 何時から？ 如何して？
疑問が口から出る前にAさんは続けた。
「敦君......私は君の事が好きだ、大好きだ。
ずっと頑張って来た姿も、苦労している姿も......過去を思い出し、顔を歪める姿も、見てきたんだ。
もう君に悲しい顔をして欲しくないんだ...。」
Aさんはずっと僕の事を考え、思い、支えてきてくれたんだ。
だから僕だってAさんを好きになったんだ。
敦「...僕だって。
僕だって、Aさんの事が...
大好き...です...！！」
思いが通じあった瞬間、
Aさんは驚いた顔で僕を見つめていた。
「敦君が...私を......
...両想い、だったんだね。」
Aさんは そうだったのか。と呟き微笑んだ。
睫毛に付いた涙の雫、薄く赤らむ頬...
それは絵画のような美しさだった。
「...こんな私を好きになってくれてありがとう。
敦君...私がずっと、死ぬまで傍にいる、だからさ...」
そう言ってAさんは僕の背に手を回した。
「もう、死んでしまえばいいなんて、言わないで欲しい...」
敦「...宜しくお願い、します。」
...もう僕は1人じゃないんだ。
それは、悪夢が覚めたように。
...........................................
なにこれ？
作者敦くんと芥川くんが大好きです。
しんじゅうびより(文豪ｽﾄﾚｲﾄﾞｯｸﾞｽ・太宰治)→←それは、悪夢が覚めたように。(文豪ｽﾄﾚｲﾄﾞｯｸﾞｽ・中島敦)(シリアスラブ)
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作者名：優希 | 作成日時：2016年5月5日 19時
