~ short story ~ 2

H #9 ページ47

「AA」

「なに？」

「腹へった」

「今作ってるから待っててよ(笑)」





オフだから家にいるんだこのおっきい生き物が





「ぎーちゃん」

「ん？」

「お皿運んでくださいな」

「えぇ、めんどくさ」





ぎーちゃんはめんどくさいと言いながらも
私の頼みを快く引き受けてくれます





「お正月、地元帰りたいんだけどぎーちゃんも行く？」

「行くに決まっとる」

「じゃあ日にち開けといてね」

「ほーい」






そんな会話もつかの間、リビングが静かになった






「ぎーちゃん、抱っこ上手になったね」

「健太におしえてやらんといけんから
松田さんに色々教えてもらった」

「今度一日パパやってみる？」

「それは遠慮しとくわ、、」





この子ができたとき一番喜んでくれたのはぎーちゃん

なれないパパを忙しい時間の中で頑張ってくれるのもぎーちゃん

そんなこの子はぎーちゃんにそっくりです






「俺の目標できた」

「なぁに？」

「Aとこいつに俺のユニフォーム着て
球場来てもらうことが一つで
もう一つはその日にでっかいホームラン打つ」



ぎーちゃんの目標は自然と私の目標にもなる






ぎーちゃん、それが叶うのはそんなに遠くないかもしれないね



私もこの子もその日を楽しみにしてるから



おっきなホームラン見せてね

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