信じるのは貴方だから ページ8
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誰もいない廊下。
私の手を引く彼は壁に私を追いやった。
｢わざとだろ｣
苦しそうに言う彼に、目を見開く。
嗚呼、バレていたなんて思いもしなかった。所詮は初恋。高嶺の花を自分のモノにするには手段を選ばないことが最善だったはずだ。
恋愛経験がまったくない私にとっては最善でも彼からすれば滑稽だったかもしれない。
｢いつから知ってたの？｣
視界が歪むのも仕方のないことだろう。こんな方法でしか彼の気を引けないのは私にその力がないからなのだから。
｢っ、お前はっ｣
歯を食いしばって私の顔スレスレに壁を殴った彼の表情は暗かった。
｢殴ってもいいわよ、蹴ってもいいわよ、絞め殺してもいいわよ。それが貴方の愛なら、喜んで受けいれる。｣
だから、まだ私を見捨てないで。
貴方なら私に何をしたって構わない。噛み殺してよ。
｢お前は捕食者だよ。初恋だなんだって言ってたけど、立派な捕食者だ。俺の為だと言うそれは自分の為だろ？お前のそれは、愛じゃない｣
胸ぐらを掴んでそう言う彼に私は疑問を抱いた。
好きな人の為ならなんだってするのが恋愛ではないの？なら、私が抱いた恋慕は一体なんだったの？貴方に恋い焦がれて毎日痛めつけられていたのは愛があったからではないの？
｢暴力って愛を体現していると思うの。誰かにイラついて殴ったのなら、それは愛する誰かと比較したから。自分の思い通りにいかなくて蹴ったのなら、それは自分や対象を愛しているから。貴方は違うって言うの？｣
いつもの様に頬に手を添えれば、彼の縋るような目に吸い込まれそうになった。
｢お前、イカれてる。だったら俺がお前に教えてやるよ。｣
そう言って私の唇を食む彼も立派な捕食者だといえるだろうに。
私のファーストキスは、狼だった。触れるだけの、たった数秒の口付け。
それでも満たされるのだから、恋というものは無限の可能性を秘めていると思う。
ファーストキスはレモンの味だとか言うけれど、あれは恋として成り立っているからそう感じるだけなのだろう。
私の恋は無色透明なのかもしれないな、なんてどうでもいいことを考える。
私思うの。貴方なら、私を愛せるって。
何かが欠落した私の愛を受け止められるって。
ねえロウ、貴方はどうして私をそんな目で見るの？
愛していないって、それでも言えるの？
私の無意味な疑問は音になることもせず、空間に熔けてゆく。
私の身体中の痣をなぞった彼は笑っていた。
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わたし(プロフ) - 翡翠さん» もったいないお言葉ありがとうございます😿‼️めちゃくちゃ嬉しいです…（；_；）沢山可愛いお話書けるようにがんばります🖐🏻 (3月21日 0時) (
レス) id: 8fbd389275 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 狼さん推しでもないのについつい惹き込まれて読んでしまいました…💗蛸さん推しなのであとがきで刺されました💘😇次回作も楽しみに待たせていただきます😆 (3月19日 20時) (レス) @page17 id: 93744aa2ce (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 完結おめでとうございます❕世界で一番好きだと言える作品&作者様にお会いできて嬉しい限りです（ ; ; ）次回作もお待ちしてます︎‼︎頑張ってください‼︎ (3月16日 14時) (レス) @page17 id: e51a31b13f (このIDを非表示/違反報告)
紅奈虹夢＠虹茶(プロフ) - .....最高でした！ (3月16日 0時) (レス) id: 763d4d21f9 (このIDを非表示/違反報告)
るぅ(プロフ) - 主人公とロウくんとの絡みが好きすぎて…！！狂愛ってやつですかね？どんどん堕ちていくのが堪らなく好きです！！ (3月15日 13時) (レス) @page14 id: be2ad56f0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたし | 作成日時：2024年3月13日 8時
