【文スト】文豪さん、反応記録帳。六冊目

→ ページ23

「…なんで、生きてるんだろう」


芥川龍之介
「生きる意味等、死ぬ迄見いだせぬ」
異能力で貴女の雨を凌ぐ。
「死ぬ迄追い求めて、死に際にようやく判る」
だから判らなくて当然だ、と目線を向ける。
我武者羅に生きてきた彼だからこそ。


中原中也
「さぁな、」
「そんなに簡単に答えが出たら、面白くねぇだろ」
悪戯に笑うと被っていた帽子を、貴女に被せる。
「俺が一緒に見つけてやってもいいんだぜ」
帽子のつばで彼の顔は見えない。


森鴎外
「何でだと思う？」
後ろから傘を差し出した彼。
「…君は私の為に生きているんだよ」
「君に死なれちゃ困るし…大事な人が居なくなるのは流石のこの私でも堪えるからね」


坂口安吾
「僕だって判りませんよ」
雨音に彼特有の低い声がまざる。
「如何して、自分が生きてるかなんて」
目の前でびしょ濡れの彼。
右手には傘が確りと握られている。


フョードル・ドストエフスキー
「中々哲学的な質問ですね」
態とらしく悩むと、閃いたように目を見開く。
「其れを之からぼくと探していくのは如何でしょう」
「きっと、いい答えが見つかりますよ」
珍しく優しく笑う彼に、目が離せない。


条野採菊
「ちっぽけな理由で良いと思いますよ」
目は見えていないのに、まるで目が合っているかのような感覚になる。
「そんなもんでしょう、人間なんて」
そう云って、雨に濡れた頬を拭う。

＊自＿しようとする彼を涙目で叱った→←＊雨の中傘をささず「なんで生きてるんだろう」といった

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す