【文スト】文豪さん、反応記録帳。十二冊目

＊超健康な貴女が幼少期に不治の病で余命宣告を受けていたが、恩人のお陰で完治したことを知った ページ10

※恩人は貴女を守る為に死亡


「...だからね、私がその人の分まで、頑張って生きなきゃいけないの」


中島敦
「じゃあ...僕も一緒に、生きます」
暫く黙っていたかと思えば、徐に顔を上げてそう決意したかのように告げる彼。
「〜ｯすみません、余計なお世話ですかね...」
困ったように笑う彼に、胸が熱くなる貴女。


太宰治
「そうかい？」
思わぬ一言に首を傾げる貴女。
「もし私がその人だったら、君がただ笑って幸せに生きてくれれば良いと、きっと思うよ」
蓬髪頭の前髪の隙間から、優しげな瞳が覗く。


国木田独歩
「志が高いのは良いが...」
ぽんっと頭の上に大きな手が置かれる。
「俺に寄りかかれ」
本当の意味を判っていながら、巫山戯て真正面から彼に寄りかかってみる。
おい、と云いながらも優しく笑う彼。


福沢諭吉
「強いな、Aは」
言葉数の多くは無い彼の、その一言でポロポロと涙が零れてくる。
「済まない、泣かせる心算は無かったんだが」
そこまで想われるなら、その恩人も治した甲斐があると云うものだ、と涙を拭う。


江戸川乱歩
「ふーん、」
興味がなさげな彼に思わず口を噤むと、無言で棒付き飴を差し出される。
「責任とか考えてる難しい顔よりも、美味しいっていう間抜けな顔の方が良いよ」
いつもよりも甘いオレンジの飴。


綾辻行人
「眉間に皺が寄っているぞ」
そう云うとがっ！と頭を鷲掴みにして、親指で眉間をぐりぐりする。
いだだだｯ！！と暴れる貴女に、片眉を上げて笑うと満足気に目を細めて紅茶を入れ始める。

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