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「貴方は悪くないの、ごめんね。ごめん、だから、…気に病まないで、お願、い」


芥川龍之介
「…僕を一人にしてくれるな」
とっくに涙も枯れてしまった。
貴女が最後に自分へ必死に笑いかけていた光景を思い出して、何度も唇を噛み締める。
「僕が死んだとて、同じところへは逝けぬ」


中原中也
「Aッ!」
貴女を呼び止める声も虚しく、キラキラと輝く粒子となって消えてしまった貴女。
「…これで自分を責めるなっつーんだ。酷なもんだぜ」
誰もいない空間。
一人流す涙を帽子で隠す彼。


森鴎外
「…」
自分自身の息遣いのみが残る。
「だとしても、私は謝らずにはいられないよ」
ごめんね、と小さくつぶやく彼にエリスが現れて、不思議そうに顔を覗く。


坂口安吾
「…Aさん…?」
手に持っていた缶珈琲が地面にぶつかり、間抜けな音を立てる。
異能のことに詳しい彼は、すぐに理解できてしまう。
貴女に「古臭い」と笑われた丸眼鏡を外して、顔を覆う彼。


フョードル・ドストエフスキー
「ぼくは諦めの悪い人間なんです」
知っているでしょう、と貴女が消えていった空を見つめる。
「…必ず貴女を甦らせるでしょう」
そう呟いてから、ヨコハマの人混みに紛れていく彼。


条野採菊
「どこへ行ったんです、Aさん」
ふっと、貴女の暖かさが消えた空間に、彼の手が空を切る。
「…『気に病まないで』なんて、無理を云いますね、」
貴女の心音を忘れないように、そっと耳を塞ぐ。


末広鐡腸
「ッ、」
いつも冷静な彼。
目の前の光景に唖然として、声も出すことが出来ない。
「…A、済まない。済まない…本当に、」
地面に膝をついて、頭を垂れる彼。

*自分の伝えたいことが、花言葉の花の名前でしか云えなくなった→←*貴女が正体を知られると消えてしまう、異能生命体だった



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作品ジャンル:アニメ
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もちのあじ(プロフ) - yuuki Sさん» 遅くて申し訳ないです...!そう云って頂けて作者も更新を続けることが出来ます!ありがとうございます! (5月6日 0時) (レス) id: f3a193ffbe (このIDを非表示/違反報告)
yuuki S(プロフ) - 更新ありがたいです✨️ほんとに主様の小説大好きなので、更新が毎度楽しみです!! (5月4日 23時) (レス) @page48 id: 07c571410b (このIDを非表示/違反報告)
もちのあじ(プロフ) - NIKOさん» 作者の脳裏にもそれはそれは鮮明に…ッ! (2023年5月1日 23時) (レス) id: f3a193ffbe (このIDを非表示/違反報告)
NIKO - だ、太宰さんの、優しい笑顔が脳裏にぃぃぃぃぃ!!!はぁ…好き( (2023年5月1日 16時) (レス) @page47 id: 412fd2ba39 (このIDを非表示/違反報告)
もちのあじ(プロフ) - マカロンさん» ついでに自分もお願いします← (2023年4月29日 22時) (レス) id: f3a193ffbe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちのあじ | 作成日時:2022年12月4日 19時

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