【文スト】文豪さん、反応記録帳。

＊感情が消えて、「感情はいるの？」と言った ページ25

「...感情はいるの？」

中島敦
「僕はあった方がいいと思います」
「だって、楽しいとか、嬉しいとかあった方がきっと人生楽しいです」
まだ人生経験の浅い敦くんなりに一生懸命伝える。
「Aさんの、感情豊かな表情も好き...なんです」
仕事で失敗しても、毎回穏やかな笑顔で励ましてくれた貴女を思い出す。

太宰治
「うーん、難しい質問だねぇ」
態とらしく、顎に指を添え机に腰掛ける。
「今、君に伝えたいのは、負の感情が人を強化する場合もある、ってことかな」
貴女が「感情なんかいらない」と考えるようになったきっかけが頭をよぎり、顔をしかめる。
「...きっとある方が、いいね！」
こんな風に貴女を想うことも出来る。

国木田独歩
「そうだな、...」
カタカタと打ち続けていたキーボードの手を止め、考え込む。
「俺は、あった方がいいと考える」
どうして、？
「それは...」
お前の豊かな表情が好きだからだ。
これは、貴女が戻ってきたら云おうか。

福沢諭吉
「あぁ」
「余り感情豊かでは無い俺が云えたことではないが」
1度しかない人生。辛いことはあれど、幸せを感じられない人生は勿体ない。
「Aにも感情はいる」
「今は気づかないかも知れないが」
ゆっくりと、目を瞑って昔を思い出す。

芥川龍之介
「知らん」
「立原にでも聞け」
自分に聞かれても。彼自身はそう思います。
「ただ、Aは能天気にヘラヘラしている方がいい」
変な言い方してても、結局は元の貴女がすきなんです。

中原中也
「確かにそうだよなぁ...」
手入れをしていた帽子を深く被り、椅子に凭れる。
「まぁ、でもあった方がいいんじゃねぇの」
「俺は結構お前の百面相見るの好きだぞ」
好きだったぞ、じゃないんです。
またいつか貴女の豊かな表情が見れると信じているからです。

森鴎外
「そうだねぇ」
カリカリと万年筆の走る音を立てながら云う。
「まだ若い君には難しい話だ」
君がおばあちゃんになった頃に話そうかね！
ケロッと笑いながら話す彼。
だが、その瞳はどこか寂しげ。

坂口安吾
「...なんです、いきなり」
「僕に聞かずに、太宰くんに聞いた方が、まとまな答えが返ってきますよ」
あ、でも太宰くんの所には行かないでくださいね。
心中に誘ってもらっては困るので。
ぼさっと最後の言葉を呟く。
「ん"ん、...僕には難しい話です」

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