【文スト】文豪さん、反応記録帳。

＊続き→また窓を見つめていた ページ20

「.....」

中島敦
「Aさん、...」
無表情でまた窓を見つめ出す貴女に心を痛める。
「あっ」
「そういえば社長から、Aさんの好きな懐彩堂の羊羹頂いたんです！」
僕切り分けますから、一緒に調理場行きましょう！
一刻も早く貴女の意識を窓から反らせたい。

太宰治
「やっぱり、飛び降りより入水がいいよねぇ」
「だって、飛び降りは痛いよ〜」
「私は痛いのやだね！」
でも入水だって、苦しいんでしょう？
「まぁ、そうだけどさぁ〜、」
「.....」
多分、貴女に飛び降りて欲しくないだけ。

国木田独歩
「A、最近冷えるな、膝掛けは置いているか」
パソコンから目を離さずに声を掛ける。
「冬は空が綺麗だか、冷えるのが好かん」
湯のみのお茶を少し飲んでは、机に置き仕事を再開する。
「お前も茶を入れて飲むのいい」
貴女が外を見てることは気づいてる。

福沢諭吉
「だんだん更けてきたな」
「そろそろ、家路につくとしよう」
窓を見だした貴女を察知して、帰るように促す。
「みぃちゃんが、待ってるぞ」
探偵社は煉瓦造りのビルの2階。
家は平屋。
社長だって、家の方が安心できます。

芥川龍之介
「.....」
「僕は以前、『せめて2階にしておけ』と云ったが、矢っ張り辞めておけ」
「軟弱な貴様の身体では保たん」
いいえ。そういう問題じゃないんです。
あれから、本当に2階から落ちるのでは、という考えが頭をよぎって仕方なかった。

中原中也
「ここ、29階だっけな、とんでもねぇな」
笑いながらそう云う。
「落ちたらひとたまりもねぇぞ」
でも貴女が今この状態。
万が一落ちた時には、自分が身を呈して守る。
そう決めています。
「...エリス嬢のとこに行くぞ！」

森鴎外
「まだ、あの感覚が残っているかい？」
以前、高層ビルの窓から飛び降りた時の事を思い出して、そう問いかける。
「いやぁ、あの時は本当に肝が冷えた」
「二度としないでくれ給えよ？？」
そう云う森先生は普段とは違う、本当に困った表情。
「今度こそ寿命が縮む気がするからね」

坂口安吾
「だいぶ日が落ちるのが早くなりましたね」
「まだまだ帰れそうにありません」
Aさん、仮眠室で寝ていていいですよ。
あそこの部屋なら窓が無い。
多少目を離しても...
「...少し待っててください、早急にこれを終わらせますから」
矢っ張り1人にするのは不安。

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