【文スト】文豪さん、反応記録帳。五冊目

＊構ってほしいものの、恥ずかしさで彼の後ろをついて回った ページ26

「………」

中島敦
「後ろに何か付いてます？」
洗濯物を抱えたまま、台所の前で足を止めると、不思議そうにそう聞く。
『………今日、ずっと一緒にいた、い』
目を逸らしながら、彼の服の裾を掴む貴女。
心臓が破裂しそうなくらい痛くて、顔が真っ赤になる。

太宰治
「何可愛い事をしているんだい」
突然振り返って、貴女をすっぽり包む。
顔は見えないけど、きっと真っ赤な顔をしているんだろうなぁと考えると、心がぽかぽかしてくる彼。
「幸せ過ぎて、死んでしまいそうだ」
ぽつりと呟かれた言葉に、貴女が抱き締め返す。

国木田独歩
「先刻から如何した」
お風呂から上がって、濡れた髪のまま水を飲んでいた彼にとことこ着いて歩いていた貴女。
恥ずかしそうに俯いている姿を見て、そういう事か、と納得する。
少し屈んで両手を広げると、嬉しそうに飛び込んでくる。
『ふふっ…暖かい』
今日は構い倒そうと決心した彼。

福沢諭吉
「…何の遊びだ？」
可笑しい程に、とことこと彼の後ろをついてまわる。
びくっと肩を揺らす貴女。
『い、一緒にいたくて…御免なさい、鬱陶しいですよね…』
そう云ってその場を立ち去ろうとすると、突然貴女を姫抱きし、縁側へ座らせる。
月が登るまでそこに居たのだとか。

江戸川乱歩
「……あっはっは！！」
貴女の気持ちに気づいていながら、態と気づかない振りをしていた彼。
「可愛いなぁ…Aには敵わないね」
ぎゅーっと貴女を抱きしめながら、独り言のように呟く。
お互いの体温を感じながら満たされていく。








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当初から2人追加したので、文字数がオーバーしてしまうことが多くて…前々話から、半分に分けることにしました！

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