困惑 ページ46
KI｢…俺、まだAのことが好きなんだ。｣
｢…え？｣
KI｢あんな別れ方しちゃったしもうAは俺のことなんとも思ってないかもしれないけど…ストーカーが警察に捕まって安全な生活が戻ってきたらもう一度Aに気持ちを伝えようって思ってたから…｣
ジョンイナがまだ…私を好き？
｢…私…｣
KI｢今すぐ返事がほしいなんて言わない。別れてから時間もたったし、全く連絡もとってなかったし。だからこれからまた時間をかけてでいい。元のようになりたい。また付き合ってた時みたいに戻りたい。｣
ジョンイナの真剣な目に見つめられて付き合っていた時の感覚が蘇ってきてまた泣きそうになる。
私が落ち込んでる時とか困ってる時、悲しい時は必ずこんな真剣な目で話を聞いてくれたっけ…
KI｢俺…いつでも待ってるから…｣
やっと諦めかけてた頭へこの話が入ってきて困惑する。
KI｢じゃあ…｣
｢あ…玄関まで送るよ…｣
KI｢ありがとう｣
そう微笑んだ顔はあの頃と全く変わらない。
玄関のドアを開けて外に出るジョンイナ。
KI｢すぐ鍵しめるんだよ？女の子の一人暮らしは危ないんだから。｣
｢ん笑 わかってるよ笑｣
出ていく前にこういうのも変わってない笑
｢気をつけてね。｣
KI｢ありがとう。じゃあ…また。｣
見去っていく背中を送る。
KI｢あ｣
ジョンイナがいきなり振り返った。
｢ん？｣
KI｢また…来てもいい？連絡…待ってる。｣
まゆを下げて微笑む。
人にそうさせたいと思わせるような笑顔…
｢うん…｣
時間はたってもああ、この人は変わらないなって思う。
エレベーターのガラスの向こうのジョンイナに手を振る。
私は…どうすればいいのかな…
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2016年8月6日 10時
