ヒーロー ページ26
｢なん…で…？｣
忘れかけてたのに…
KI｢…ちょっと話したくて。｣
｢私…には話すことない…から…｣
泣きそう…
だめ…ないちゃだめ…
泣いたらまだ未練があるみたいじゃんっ…
意思に反して視界はどんどんぼやけてくる。
KI｢A…？泣いてるの…？｣
そんな優しい声で心配しないで…
｢泣いてない…っ｣
KI｢泣かないで…ごめん。ごめんA。｣
抱きしめられる。
優しい懐かしい匂い。
｢やだ…触らないでよ…｣
私はジョンイナを押し返した。
KI｢ごめん…でも俺はまだAのこと｢やめて！！｣
｢…お願いもうやめて…｣
???｢ちょっとなにやってるの？｣
KI｢…｣
幻聴かな…ベクの声だ…
BH｢やめろよ、泣いてるの見えないの｣
そう言って私をかばうように私とジョンイナの間に立つ。
幻聴…じゃない…
なんでベクがここに…？
KI｢俺…は…｣
BH｢A、中入ろう？ね？｣
私の肩を抱いて部屋に入った。
｢ジョンイナ…｣
KI｢…またくる。｣
少し寂しげな声が聞こえたと同時にドアのしまる音がした。
｢…｣
BH｢…｣
ベクが何も言わずに抱きしめてくれる。
ベクにはいつも助けられてばっかりだね…
ベクはわたしのヒーローだよ…
こんなんでごめんね…
ベクのこと好きだけどまだ好きだって言えないや…
｢うぅ…ごめ…ん…っく…｣
BH｢…｣
抱きしめる力が強くなった。
BH｢泣かないで。俺がいる。｣
その夜はしばらく泣いて泣き疲れてベクの腕の中でいつの間にか意識を手放していた。
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2016年8月6日 10時
