理性帰還 ページ19
BH side
｢ベク？｣
BH｢事態が飲み込めてないのはわかってるんだけど…それ…煽ってるようにしか見えない。｣
｢煽ってな…ん｣
我慢出来なくてAの言葉を遮ってキスをした。
BH｢…はぁ…かわい。｣
｢待ってベクっ｣
出せる精一杯の力で俺を押しとどめた。
BH｢なに。｣
｢ベクにはっ好きな子がっ！！｣
BH｢そんなの…気づいてくれなきゃ意味無い…｣
前髪がかかる程近くでAの目を見て言う。
BH｢いつもいつも自分は女だってこと忘れて無防備な姿晒して男が耐えられると思ってるの？｣
｢私のこと別に見てない｣
BH｢だからそれがダメなんだって。自分は大丈夫とかそんなの酔っぱらいが酔ってないって言ってるのと同じだからね？大丈夫じゃない人に限って大丈夫って言うの。｣
｢それに私、力だってあるし！｣
馬鹿なの
苛立ちから強引に唇を奪うと必死に抵抗してきた。
｢やめっ…て…｣
俺はA手を頭上に片手でつなぎとめて続ける。
｢あ…はっ…ベクぅ…っこわい…｣
っ………
俺なにやってんの…
これじゃそのへんの男と変わらない…
BH｢ごめん……言ったでしょ、男は危ないんだって。Aのこの細い腕で叶うわけないんだって。｣
｢…｣
BH｢泣かないで…ごめん。…手荒なことして。嫌だったよね。ごめん｣
不謹慎かもしれないけど恐怖で涙をポロポロと流す彼女に美しいと思ってしまう。
涙を指でぬぐって頬をなでる。
俺ももうダメかもしれないな。
こんなことして俺マジで最低じゃん…
｢ベクぅ…｣
Aが抱きついてきてバランスを崩して横に倒れた。
BH｢ごめん。｣
頭をなでていると規則正しい寝息が聞こえてきた。
BH｢A？寝ちゃったの？｣
好きだって言ったり泣いたり寝たり忙しい子だな笑
Aを布団に寝かせて自分も布団に入った。
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2016年8月6日 10時
