十話 ページ10
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どうも、個人情報からお風呂でどこから洗うのかまでイグニハイドの誇るハッカーどもに暴露された陰キャです。「飛べないイグニはただのイグニ」とか面白いこと言ったつもりなのだろうか。
ルーク先輩がボクを助けてくれたというのは、陽キャの巣窟マジカメや、ボクら陰キャの生息する掲示板やチャット、呟きサイトなどでも動画や口伝で拡散された。
イグニハイドの情報規制ポリスのおかげで、学校外までに拡散されるのは阻止されているが、いつも廊下を歩いている時より断然多く突き刺さる視線にボクはそれどころではない。陰キャに視線を投げつけるのは死刑宣告や致命傷に等しいと、本当に全国全種類の教科書に明記するべきだと思う。
いつもはカツアゲ阻止にみんなでひそひそ移動する同室の二年たちも、「ロタ氏といるとポムポムプリンに絡まれそうなんで……」「とりま乙」なんて言いながらボクをはぶった。陰キャ仲間だと思ってたのに。二度とあいつと狩りに行った時に回復薬をくれてやらないと心に決めた。
ポムポムプリンに微妙にウケてしまったのは墓まで持って行く予定の秘密だ。シェーンハイト先輩に知られでもしたら、とんでもない目に合うのは確定事項である。
「ボンジュール、ムシュー・ハンター。もう気分はいいのかい？」
この前は中庭であんな事件があったので、なるべく身を小さくさせながら校舎の中を歩く。校舎の中なら空を飛んでも天井にぶち当たるだけだ。それも嫌だけど。まあ幸い、今日はボクが出なければならない授業は全て終わったので、もう寮に帰るつもりだった。
そう思っていたのに、ちょうど見計らったようにいいタイミングでルーク先輩がやってきた。バルガス先生の授業帰りなのか運動着を着ている。
「る、ルーク先輩」
「ふむ。脈も正常、熱はなし、怪我もなし……ただ、ストレスかな？保湿の跡はあるのに肌が荒れているね」
相変わらず観察眼のやべぇ人だ。
……そういえば、あの事件のことを謝るのを忘れていた。先輩まで悪目立ちしてしまったのだ。
これのせいでルーク先輩がお茶会に誘ってくれなくなるのは、少し嫌だ。
「先輩」
「ん？」
「先日は、その、ご迷惑を……」
「ノン！」
しかし先輩から返ってきたのは、強い否定の言葉。
「キミが助かったことを、私とキミは手放しで喜ぶべきだ。そうだろう？」
ルーク先輩は綺麗な顔で笑った。
知らず知らずのうちに、ボクはそれに頷いてしまっていた。
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寝夢@睡(プロフ) - 白夜（ハクグン）さん» ありがとうございます！ (2021年1月25日 23時) (
レス) id: a54aa7d3e4 (このIDを非表示/違反報告)
白夜（ハクグン）(プロフ) - この作品が本当に好きです…ｲｸﾞﾆの陰キャっぷりが見て取れる…応援してます！！無理しすぎない程度に頑張ってください！！ (2021年1月25日 11時) (レス) id: d2ad143a92 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢@睡(プロフ) - ポテチうまぁさん» どうぞ何回でもお読みください^ ^ (2020年9月27日 22時) (レス) id: 2e8abeafcf (このIDを非表示/違反報告)
寝夢@睡(プロフ) - 花浪さん» ありがとうございます！ (2020年9月27日 22時) (レス) id: 2e8abeafcf (このIDを非表示/違反報告)
ポテチうまぁ - これを一気読みしてしまってた自分が....ｱｯ自然ともう一回読もうとしちゃってる (2020年9月27日 15時) (レス) id: 335118f9cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寝夢@睡 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yukinemuri56/
作成日時：2020年6月21日 17時
