十七話 ページ17
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「ロタさん、少々お時間頂いても？」
「ぴ、ぴえ……」
……輝かんばかりの笑顔を見せるアーシェングロット君に、一陰キャであるボクが逆らえるはずなかったのだ。
放課後。今日はサイエンス部がお休みで、ルームメイトのみんなは部活でなんちゃら研究会だの各々の活動に赴き、寮長先輩はオルト先輩の運動着・ギアに不調が出てしまったらしくメンテのために引きこもっている。
そしてつい最近買ったばかりのRPGをクリアして、他のゲームに手をつける気にもなれなかったボクは図書室でラノベを借りようとしていたわけだが。
なんとそこに現れたアーシェングロット君にボドゲ部の部室まで連れ去られてしまった。ここまでテンプレかつあらすじ。
面と向かい合って会話をする、ということを陰キャに求めないでくれる、寮長先輩でイグニハイドの陰キャの扱いに慣れているアーシェングロット君は、オセロを挟んでボクに会話という名の交渉を持ちかけてきた。
「モストロ・ラウンジではポイントカードに続き、配達サービスも行うようになりまして」
「左様ですか……」
「サービスに関するシステムの構築などはイデアさんにお手伝いして頂いたのですが」
「はぁ……」
寮長先輩はああ見えて優秀なので、体力育成や飛行術以外では課題もすぐに終わらせてしまう。だから放課後はオルト先輩のメンテや他の人が持ち込んできた機械の修理とか以外じゃボドゲ部で遊んでいるわけだが、最近寮長先輩が寮へ直帰してくるなと思えば、アーシェングロット君からの頼まれごとをしていたらしい。
「どんなに素晴らしいサービスでも顧客がいなければ成り立ちません」
「そーですか……」
「と、いうわけで。ロタさんには配達サービス利用者の第一号となって頂きたいのです」
「へぇ……ファッ！？」
いつの間にかアーシェングロット君の口車に乗せられかかっていた。
「た、ただの陰キャに何をお求めで」
「サービス利用者の第一号と申し上げたはずですが」
「聞き間違いじゃなかった……だと……！？」
ボクはモストロ・ラウンジなどという陽キャいっぱいの場所に縁はないタイプの陰キャだ。寮長先輩？尊い犠牲だよ。
「その代わり配達サービスでご注文された品ですとポイントは無効になります。あれはお客様の回転率と収益を期待したものですから。それに配達人と顔を合わせるのは嫌でしょう、特にイグニハイド寮生は」
「陰キャの生態を完全に把握されてるぴえん」
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寝夢@睡(プロフ) - 白夜（ハクグン）さん» ありがとうございます！ (2021年1月25日 23時) (
レス) id: a54aa7d3e4 (このIDを非表示/違反報告)
白夜（ハクグン）(プロフ) - この作品が本当に好きです…ｲｸﾞﾆの陰キャっぷりが見て取れる…応援してます！！無理しすぎない程度に頑張ってください！！ (2021年1月25日 11時) (レス) id: d2ad143a92 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢@睡(プロフ) - ポテチうまぁさん» どうぞ何回でもお読みください^ ^ (2020年9月27日 22時) (レス) id: 2e8abeafcf (このIDを非表示/違反報告)
寝夢@睡(プロフ) - 花浪さん» ありがとうございます！ (2020年9月27日 22時) (レス) id: 2e8abeafcf (このIDを非表示/違反報告)
ポテチうまぁ - これを一気読みしてしまってた自分が....ｱｯ自然ともう一回読もうとしちゃってる (2020年9月27日 15時) (レス) id: 335118f9cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寝夢@睡 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yukinemuri56/
作成日時：2020年6月21日 17時
