十五話 ページ15
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過去最大のリアクションを図らずも見せてしまったボクに、ご満悦な表情をなさっているルーク先輩はにっこにこの笑顔だ。そんなにひどい顔を晒してしまったかボクは。
「気に入ってくれたかな？」
「とりあえずツリーで宣伝するやつ先に考えたほうがいいです……」
「ふむ？」
右からロイヤルブルー、オリエンタルブルー、ラピスラズリと筆記体でケースに彫られている、売り物でもおかしくないレベルのアイライナー。美容の鬼、ポムフィオーレの寮長、そして世界的モデルであるシェーンハイト先輩のお墨付き。バズらないはずがない。寒色系メイクを好むイグニハイドだけでも百人以上が買う。
そうだ。イグニハイドには美容オタクだっている。そしてオタクは先述したように、自分の沼に他人を突き落とす罪深い生き物だ。特にそれはみんなの精神がすり減るテスト前などに発揮されてしまう。
「全部、ぜんぶ綺麗です……」
「メルシー！キミが喜んでくれたのならよかった。好きなものを持っていくといいよ」
「えっ待ってくださいタダじゃいけませんってちゃんと材料料と技術料お支払いしますから待ってくださいマドル寮から持ってくるので」
ノンブレスで言い切ったが、ルーク先輩の顔から笑みは消えない。アッこれ絶対に引いてくれないやつだ。
「ムシュー・ハンター。私は普段パープルを使うと知っているだろう？」
「へ？はい」
今もルーク先輩は寮服だが、引かれたアイラインは紫色だ。
「ブルーを使うことは滅多にない。それなのになぜ、これだけの種類があると思う？」
「自分用と布教用と観賞用と保存用では」
「ノン！それはキミのことだね」
「さーせん」
ルーク先輩をオタクの尺度で測るなど確かに不敬が過ぎる。五体投地して謝罪したほうがいいな。
ちなみにボクは自分用を二つ買うタイプだ。お一人様ひとつまでは本当に地獄であり、布教のできない悲しさがある。
「これはキミのことを考えて作ったものだよ、ムシュー・ハンター」
「……ぱーどぅん？」
「本当はパープルを作るつもりだったのが、キミのことを考えていたらブルーになってしまったのさ」
「ふぁっつ」
「キミの鳴き声はハイエナに匹敵する種類の多様さだね」
褒められているのかが分からない。いや脳が理解を拒んでいる。狩人目線で話をされてもボクインドア派の陰キャだからアウトドア派の陽キャの話してることわかんない……。
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寝夢@睡(プロフ) - 白夜（ハクグン）さん» ありがとうございます！ (2021年1月25日 23時) (
レス) id: a54aa7d3e4 (このIDを非表示/違反報告)
白夜（ハクグン）(プロフ) - この作品が本当に好きです…ｲｸﾞﾆの陰キャっぷりが見て取れる…応援してます！！無理しすぎない程度に頑張ってください！！ (2021年1月25日 11時) (レス) id: d2ad143a92 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢@睡(プロフ) - ポテチうまぁさん» どうぞ何回でもお読みください^ ^ (2020年9月27日 22時) (レス) id: 2e8abeafcf (このIDを非表示/違反報告)
寝夢@睡(プロフ) - 花浪さん» ありがとうございます！ (2020年9月27日 22時) (レス) id: 2e8abeafcf (このIDを非表示/違反報告)
ポテチうまぁ - これを一気読みしてしまってた自分が....ｱｯ自然ともう一回読もうとしちゃってる (2020年9月27日 15時) (レス) id: 335118f9cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寝夢@睡 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yukinemuri56/
作成日時：2020年6月21日 17時
