十三話 ページ13
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「ロタ氏に僕らのは明るすぎでしょ……」
「もっと濃くて、刺激の強い色を検索する？」
「先輩方は目も髪も肌の色も同じだからこれが一番……オタクが語りすぎましたごめんなさい知ってた分かってた」
「いや拙者こそ長引かせてごめんなさいオルトもごめんそれで検索してくれる？」
「うん！」
全てはロタの愛用しているアイライナーを製造しているメーカーが倒産し、買いだめしていたストックも切れてしまったことから始まる。
寮服にも特に手を加えずに、まあせいぜいサイズが少し大きいくらい。化粧はアイラインを引くだけ。美容オタク寮の副寮長と仲がいいくせに、かつての脅し文句が効き過ぎて一切服装に頓着しなかった陰キャの中の陰キャはオシャレにてんて疎かった。
陰キャの陰キャによる陰キャのためのイグニハイドでは、全寮制の男子校であることからも、廊下を下着で歩いていても「露出狂か？」程度で済むし、まるで何事もなかったように存在をスルーされるかの二択だ。
そもそも陰キャがオシャレをして出かけるなど天変地異の前触れの可能性すらあるし、そんな格好をしてやることと言えば即売会やオフ会のようなものだ。
しかしロタ・スミスは人と話すことが苦手でどもるタイプな上に、初対面の人間と話がはずむ方でもないので、オフ会に参加したことは一度もない。ロタは交友関係が希薄でも、特に苦痛を感じない陰キャである。
だからこそ、色味から何まで自分に似合っていたと思っていたアイラインが手に入らなくなるのは、ちょっとどころかかなり困った。
オルトが検索しても、出てくるのは前使っていたものに限りなく近いだけのもので、「これだ！」というものはなかなか見つからない。オルトは以前メイク技術をインプットした時、実験台となったロタの色相と、似合うメイクは完璧に覚えたのだが、だからこそ納得がいかないという結果に。
「うーん……」
「これだと逆に派手過ぎますな」
「悪目立ちはしたくないでござる」
「もういっそのことルーク氏に相談してみれば？」
「そうだね！確か今日も、お茶会のお誘いがあったんでしょう？」
確かにこのまま寮長部屋で、三人してあーでもないこーでもないと言い合うのは楽しいが、それでは寮服時のメイクができなくなってしまう。
だがロタには懸念がある。
「ルーク先輩に聞いてきます……」
あの人に真面目に化粧の話をして、本当に今日帰ってこれるのか、なんて。
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寝夢@睡(プロフ) - 白夜（ハクグン）さん» ありがとうございます！ (2021年1月25日 23時) (
レス) id: a54aa7d3e4 (このIDを非表示/違反報告)
白夜（ハクグン）(プロフ) - この作品が本当に好きです…ｲｸﾞﾆの陰キャっぷりが見て取れる…応援してます！！無理しすぎない程度に頑張ってください！！ (2021年1月25日 11時) (レス) id: d2ad143a92 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢@睡(プロフ) - ポテチうまぁさん» どうぞ何回でもお読みください^ ^ (2020年9月27日 22時) (レス) id: 2e8abeafcf (このIDを非表示/違反報告)
寝夢@睡(プロフ) - 花浪さん» ありがとうございます！ (2020年9月27日 22時) (レス) id: 2e8abeafcf (このIDを非表示/違反報告)
ポテチうまぁ - これを一気読みしてしまってた自分が....ｱｯ自然ともう一回読もうとしちゃってる (2020年9月27日 15時) (レス) id: 335118f9cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寝夢@睡 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yukinemuri56/
作成日時：2020年6月21日 17時
