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真希「なんつーか。可哀想だな。」
パンダ「神様って言っても、まだ10何歳かの女の子なんだろ。」
棘「しゃけ。」
真希「生まれてから死ぬまでずっと神社に閉じ込めるなんて。」
パンダ「とりあえず、会ってみないことにはわからないな。」
棘「ツナツナ!」
パンダ「やっと、俺らの番みたいだぞ。最後だけど。」
真希「いくぞ。」
巫女「次の方、どうぞ。」
巫女に案内されて社に足を踏み入れる。
真希「あいつか。」
パンダ「そうみたいだな。」
棘「しゃけ。」
社の中の一段高くなった上座にはまだ、15.6の少女が座っていた。
弥奈「こんなに若いお客さんはいつぶりかしら。」
黒く長い髪に艶やかな肌。大和撫子を体現したような美しい少女が微笑む。
真希「私らは願掛けに来たわけじゃねぇよ。」
弥奈「そうでしたか。では、なぜここに?この村の方ではありませんよね?」
人を疑うことを知らない純粋な瞳が揺れる。
パンダ「俺たちこの村で起きてる事件について調べに来たんだ。」
棘「しゃけ!」
少し暗い顔をする少女。
弥奈「ここ最近何件か失踪、不可解な死を遂げている方がいるのは存じ上げています。私もこの地に住まう者として心を痛めていたところです。」
真希「村で流れてる噂知ってるか?」
棘「おかか!」
静止の意味を込めた棘の声が響く。
真希「聞かなきゃわからねぇだろ。」
弥奈「えぇ。そちらも存じ上げています。この不可解な事件がヤナの祟りによる者だと言うことも。」
真希「知ってるなら話は早い。で、お前がやったのか?」
パンダ「おい、真希!」
弥奈「お気になさらないでください。残念ですが、私には心当たりがありません。」
真希「そうか。なら、もういい。疑って悪かったな。」
弥奈「仕方ありません。ヤナには様々な噂がありますから。」
真希「帰るぞ。」
棘「ツナマヨ。」
パンダ「なんだ?棘?」
棘がスマホを操作して文字を打つ。
『この辺宿がないらしいけど、どうするの?』
真希・パンダ『えっ?マジ?』
棘「しゃけ。」
3人の様子を察したのか弥奈が声をかける。
弥奈「もし、よろしければ今晩はこちらに泊まって行かれてはいかがでしょうか?」
パンダ「いいのか?」
弥奈「ええ。この辺りは宿がありませんし、わざわざ遠くからお越しになったお客様を野宿させるわけにはいきません。」
棘「明太子?」
弥奈「私が言うのもあれですが。うちの温泉は気に入っていただけると思います。」
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作者名:雪菜 | 作成日時:2021年2月14日 1時