ご ページ6
.
本当に一瞬だったけれど、見間違いじゃない。大好きなんだ、旭さんの事が。彼も含めて皆でバレーがしたいんだ。そうわかった時、とても不謹慎で的外れだとはわかっていても……
萌えた。
すごく萌えた。キュンキュンした。ああ〜〜〜そうだよなぁ〜〜！！どんなに悪態ついてたって本当は戻ってきてよって言いたかったんだよなぁ〜〜大好きだもんねぇ〜〜〜！！顔にはおくびも出さないが、心の中はこれでもかという程ぴょんぴょんしてる。俺の表情筋仕事放棄しててほんと良かった。心底助かった。
｢お前らの方から1人、セッター貸してくれ。｣
｢……｣
｢！スガさん！？｣
烏養コーチは外から見ていなければならない。烏野にはセッターが2人居るのだから、どちらかが町内会チームに行くのは必然だ。意を決した様に歩を進めるスガさんに、田中さんが驚きの声をあげた。当たり前の様に下学年が行くと思っていたのだろう。それもそうだ、普通ならそうなのだから。
けれど、旭さんが戻ってきて、ノヤっさんが参加するこのチーム。人1倍責任感の強いスガさんは、また同じ事の繰り返しが怖いからと、影山の存在を盾にしていたと語った。2人が仮にでも帰ってきて、安心したのもあるんだろう。それと同時に、当時の不甲斐なさが爆発したんだろうか。真意は本人にしかわからないが、ぎゅっと目を瞑り言葉を吐くスガさんはひたすらに尊かった。心がきゅっとする。抱き締めたい。
｢けど、もう1回。俺にトス上げさせてくれ、旭。｣
｢！……っ、｣
｢……だから、俺はこっちに入るよ。影山。｣
スガさんの真っ直ぐすぎる熱に、気圧される様に後ずさる旭さんは、気まずそうに眉を下げた。きっと3人とも、お前のせいだと怒られた方がどんなにマシかと思ってるだろう。お前のせいだ、ふざけんな！そう言われて自分が悪者になった方が、自分の不甲斐なさを決定づけてくれた方が、幾分か楽だから。
でもお互いに自分のせいだと思ってる。他のチームメイトだって、誰かのせいだと思ってない優しい人達だ。誰にも責めてもらえない中、自分で自分を責め続けるのはどんなに辛い事だろうか。それを今、乗り越えようとしてる。3人でまた連携をとることで。青春だなぁ、なんて言葉が口から零れてしまった。
伊達工との試合、ずっと3人の中で燻ってた。そしてきっと、今度はこの烏野が、他の高校にとって悔しい試合として思い出に刻みつけられるんだろう。でもどれもが、それこそが青春の貴重な1ページだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 213人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
モブ - 今、更新はして無いんですか？すっごく好きな小説です！ (2020年8月20日 19時) (
レス) id: 66352f2bb5 (このIDを非表示/違反報告)
つむ狐(プロフ) - ゆきねこ。さん» ちまちまでも嬉しいです…！！いつまでも待ち続けます！！急かすような言動失礼しました…(汗) (2020年4月16日 0時) (レス) id: 3fb52abb2a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきねこ。(プロフ) - つむ狐さん» ちまちまですが更新していきます！だいぶ亀ですがお待ちいただけたら幸いです〜！ (2020年4月16日 0時) (レス) id: 3dc1d9999b (このIDを非表示/違反報告)
つむ狐(プロフ) - めっちゃ面白くて好きです！もうこの小説は更新されないのでしょうか…？ (2020年4月15日 23時) (レス) id: 3fb52abb2a (このIDを非表示/違反報告)
あずき♪（チームあみ） - 失礼します 夢主が腐男子は神でした。すごい面白いです！！！頑張ってください (2020年3月11日 9時) (レス) id: ab8cadff73 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆきねこ。 | 作者ホームページ：
作成日時：2019年2月3日 7時
