【ここは】気づいたら学校【どこ】�� ページ35
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移動するならさっさと移動して、横にさせてやった方がいいかもしれないなとひとりごち、全員に現状の詳細を話した。
｢じゃあすぐ隣の教室行こうぜ！｣
｢待って待って西谷。さっきも言ったけどいつどこにその黒い靄が居るか……｣
｢尚更すぐ行かねえとだろ。あっちには1年が4人も固まってんだから。｣
さっさと教室を出ようとする西谷を止めるも、彼らしい理由で否を示されてしまう。けれど俺だって2年の端くれだ。言いたい事もわかるが、もう少し慎重に行動を起こすべきだとも思う。……それでも折れてそのまま教室を出ようとしてしまう辺り、俺も大概だ。
｢とはいえ気ぃつけるに越したことはー……っうわぁ！！｣
｢木下！？｣
そっと教室のドアを開けた木下が突然叫び声をあげた。驚いて彼の名を呼ぶと、ぺたりと地面に座りこんだ彼が顔面蒼白で俺の方を見る。慌てて駆け寄ると、先程木下が開けたドアの、数センチの隙間から。
真っ赤に血塗れた顔の子供がこちらを覗き込んでいた。
｢ヒ、ッ！｣
ヒュ、と息を飲んだ。あまりの驚きと恐怖で身体が竦む。俺に続いて様子を見に来た田中が眉間に深く皺を刻む。無言で西谷の前に手を出し静止させると、そのまま子供の前へと立った。
｢た、たなか、｣
｢縁下。｣
思わず田中に手を伸ばすも、本人にやんわりと止められる。大丈夫だから、と言うように手をひと撫でされ、何も言えなくなった。その子供に目線を合わせるよう田中がしゃがみ、子供はじっと彼を見つめた。
｢……なあ、お前、｣
｢お兄ちゃんは？｣
｢お兄、ちゃん？｣
田中が口を開いたのとほぼ同時に、子供が問うた。あっけらかんとした普通の声。とても血塗れなその子から出ている声だとは思えないような何の悪意も感じないその声に、俺は思わず西谷と目を合わせた。
木下が困惑した様に子供の言葉を復唱する。お兄ちゃん。誰の事だ。
｢いっしょにつれてきたはずなのに。だってね、おじさんがお兄ちゃんのことさがしてるから。｣
｢そのおじさんっつーのは、誰だ。｣
｢こわいおじさん。お兄ちゃんのことさがしてるの。｣
田中が比較的優しい声色で子供に問い掛けるのを、3人で固唾を飲んで見守る。おじさん、お兄ちゃん。いまいちピンと来ないが、要はおじさんがお兄ちゃんを探しているから、そのお兄ちゃんと共に俺達がこちら側へ誘い込まれたらしい。なんとも傍迷惑な話である。
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モブ - 今、更新はして無いんですか？すっごく好きな小説です！ (2020年8月20日 19時) (
レス) id: 66352f2bb5 (このIDを非表示/違反報告)
つむ狐(プロフ) - ゆきねこ。さん» ちまちまでも嬉しいです…！！いつまでも待ち続けます！！急かすような言動失礼しました…(汗) (2020年4月16日 0時) (レス) id: 3fb52abb2a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきねこ。(プロフ) - つむ狐さん» ちまちまですが更新していきます！だいぶ亀ですがお待ちいただけたら幸いです〜！ (2020年4月16日 0時) (レス) id: 3dc1d9999b (このIDを非表示/違反報告)
つむ狐(プロフ) - めっちゃ面白くて好きです！もうこの小説は更新されないのでしょうか…？ (2020年4月15日 23時) (レス) id: 3fb52abb2a (このIDを非表示/違反報告)
あずき♪（チームあみ） - 失礼します 夢主が腐男子は神でした。すごい面白いです！！！頑張ってください (2020年3月11日 9時) (レス) id: ab8cadff73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきねこ。 | 作者ホームページ：
作成日時：2019年2月3日 7時
